研究課題/領域番号 |
21K14737
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松長 遼 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (70895466)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 蛋白質工学 / イソペプチド結合 / 重合 / ブレビバチルス発現系 / 蛋白質ポリマー / 分子量分布制御 / 蛋白質材料 |
研究開始時の研究の概要 |
蛋白質から構成される線維は生体内で重要な役割を担っており、環境調和性や蛋白質の有する特異な機能性の観点から新規材料としての期待も大きい。一方で、その分子量分布の制御が困難である点が課題であった。本研究では、分子間イソペプチド結合形成をトリガーとする構造変化の伝播を利用したリビング重合性蛋白質素子の設計により、狭い分子量分布の蛋白質ポリマーを創製し、その物性を明らかにする。有機高分子化学の分野におけるリビング重合の考え方を蛋白質デザインに応用することで、蛋白質の多様な機能を付加した革新的材料への応用が期待できる。
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研究成果の概要 |
ドメイン間相互作用およびイソペプチド結合形成による動的な構造変化を利用した反応末端の活性制御によるリビング重合性蛋白質の創製を目指して研究を行った。その結果、不活性な蛋白質ドメインに隣接するように別の蛋白質ドメインを結合させると、ドメイン間の相互作用により活性化が生じるような蛋白質を設計することに成功した。同様の性質を有する蛋白質ドメインをもう1種類設計することで、リビング重合を達成することができる。また、迅速かつ高効率な蛋白質発現を可能とするブレビバチルス発現系の改良により、従来発現困難とされていた各種蛋白質の分泌発現に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
合成高分子化学の分野で明らかなように、分子量分布を狭く制御することは材料物性を制御するうえで重要課題の一つであり、蛋白質からなるポリマーにおいても分子量分布の精密制御が材料応用に向けた本質的課題である。したがって、本研究の発展により優れた物性を有する蛋白質材料の創製が可能になると考えられる。また、ブレビバチルス発現系の改良により、分子設計と解析のサイクルを高速化し、迅速な蛋白質設計の改良が可能となった。
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