研究課題/領域番号 |
21K14756
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分37030:ケミカルバイオロジー関連
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研究機関 | 千葉県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
山本 清義 千葉県がんセンター(研究所), がん治療開発グループ がん遺伝創薬研究室, 研究員 (80783521)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ピロールイミダゾールポリアミド / PIP / ミトコンドリアDNA / ミトコンドリア標的薬 / DNA副溝結合化合物 / ミトコンドリア標的化合物 / 皮膚透過 / ミトコンドリア / PIポリアミド / がん治療薬 / 経皮吸収薬 |
研究開始時の研究の概要 |
ミトコンドリアの機能不全が細胞老化やがん化を引き起こす原因の一つであることが明らかにされている。皮膚透過可能なミトコンドリア機能制御化合物は新たな形態のがん治療薬候補として期待でき、がん治療に大きく貢献するものとなる。そこで本研究課題ではPyrrole-Imidazole Polyamide(PIP)を基として、ミトコンドリア機能のコントロールによって機能する塗布型がん治療薬の開発を目的とする。PIPはDNAのマイナーグルーブに配列選択的に結合する化合物であり、皮膚透過性及びミトコンドリア指向性を備えたPIPライブラリを構築し、その効果を検討することで塗布・貼付・経口薬候補化合物の開発を行う。
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研究成果の概要 |
ミトコンドリアの機能不全は疾患を引き起こす原因の一つと考えられている。皮膚透過可能なミトコンドリア制御化合物は、新たな形態のがん治療薬候補となりうる。そこで我々はピロールイミダゾールポリアミド(PIP)を基としたミトコンドリア機能を制御する塗布薬の開発を行った。そこでミトコンドリア標的と皮膚透過を両立が期待できるPIPのライブラリから、顕著な細胞毒性を示すPIPを見出した。また動物実験よりPIPが皮膚透過すること、角質の除去によって透過がさらに促進されることを明らかにした。本研究によって小分子量のミトコンドリア標的PIPは皮膚を透過して作用する化合物として期待できることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の低分子創薬手法では、しばしば治療薬の開発が困難となることがある。PIPはその問題を克服可能な化合物である。また外用剤は内容剤や注射剤と比較して、全身的副作用の軽減や、薬効の持続性、薬用量の調節の容易さなど、患者への負担が軽く有用な剤形であると考えられる。本研究で開発を行った皮膚透過可能なミトコンドリア標的PIPは塗布・貼付薬として皮膚病変や全身投与治療薬への応用が期待できる。またPIPは強酸性条件下においても安定であるため、消化管表面細胞に対する経口薬としての発展も期待でき、本研究の成果が薬剤開発の分野に与えるインパクトは大きく、医療への貢献が期待できる。
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