研究課題/領域番号 |
21K14792
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
姜 法雄 神戸大学, 農学研究科, 助教 (70824465)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | スペルミジン / アシルスペルミジン / 天然物 / 天然物合成 / 選択的反応 / 選択的合成 / 反応開発 / アルカロイド / ポリアミン / 全合成 |
研究開始時の研究の概要 |
ポリアミンアルカロイドは、これまで天然から数多く見出されており、様々な疾患に対する治療薬シーズであることが古くから認知されている。しかし、こういったポリアミンアルカロイドの潜在的有用性にもかかわらず、大半が創薬資源として手つかずになっているのが現状である。本研究では、独自の戦略により位置選択性を自在に制御することで、様々なアシルスペルミジン天然物を、網羅的かつ初めて化学合成すること挑戦する。
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研究成果の概要 |
ポリアミン天然物は様々な生物から見出され、その魅力的な機能により生物有機化学や創薬分野で重要視されてきたが、しばしばその希少性から研究は容易ではない。本研究ではアシルスペルミジン類に注目し、位置選択的化学合成を容易にするため、新反応剤と中間体を用いた合成法を開発した。その結果、選択的反応剤として有用なN-アシルイミドジカルボナートを使用し、3種のアシルスペルミジン天然物のカラムフリー全合成を初めて達成した。これまでその調整に多段階を要していた合成中間体を代替し得るものとして、スペルミジンのアミナールイミン型保護体に着目した。検討の結果、アミナールイミン形成が高収率で進行する条件を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、ポリアミンのアシル化における位置選択性を制御する新反応剤の開発に成功し、これまで化学合成が困難であったアシルスペルミジン天然物の合成に成功した。N-ホルミルカルバゾールを用いた選択的ホルミル化や、スペルミジンのアミナールイミン型保護など、新たな反応条件を確立した。この成果はある特定のポリアミンアルカロイドの創薬や生物有機化学における利用を格段に容易にしうる。従ってこれまで手つかずだったポリアミンアルカロイドを研究資源を活用することで、難治性疾患などの種々の疾病の新たな治療薬の提供や、ポリアミンが関与する無数の生命現象を解明する一助となる可能性が示された。
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