研究課題/領域番号 |
21K14797
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
加茂 翔伍 星薬科大学, 薬学部, 助教 (30894787)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 全合成 / 生物活性天然物 / メロテルペノイド / ゲラニルヒドロキノン / オレゴネンシン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、マンネンタケ(Ganoderma)属真菌が生産するメロテルペノイド天然物群の網羅的かつ効率的な合成法を確立する。Ganoderma属真菌由来メロテルペノイド類は、環化様式の違いにより多様な骨格を有し、また神経幹細胞成長促進作用など特異な生物活性を示すことから、新薬開発のリード化合物となる可能性を秘めている。しかしサンプル確保の問題から、生物学的研究は進んでいない。そこで本研究では生合成仮説に基づき、構成パーツの連結と環化位置の制御による効率的合成法を立案した。本合成戦略に基づきGanoderma由来メロテルペノイド群の網羅的全合成を達成し、構造活性相関研究等への応用を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、多様な縮環構造を有する Ganoderma 属真菌由来メロテルペノイドに着目し、構成パーツの連結と環化位置の制御による合成戦略の下、効率的かつ網羅的な全合成法の開発を目指すものである。 本年度は、初年度に引き続きオレゴネンシン A の合成研究を実施し、その不斉全合成を達成した。加えて、関連天然物であるフォルニシン A、アプラナタモール U、チジン Eの3種の関連天然物の不斉全合成にも成功した。これら天然物に特徴的な、ブチロラクトン環を有する共通鍵中間体を設計し、これに種々の側鎖を導入することで各天然物を短工程で合成でき、統一的な合成法を確立することができた。今回確立した手法は、側鎖の置換基や炭素数が異なる類縁天然物や人工誘導体の合成にも応用が可能であると考えている。 また、アプラナタモール Eの合成については、鍵となる転位反応の開発まで達成している。現在、芳香環部分の導入による鎖状中間体の合成を検討しており、構成パーツを連結した中間体が完成次第、研究計画に従い環化反応の検討を行い、全合成達成を目指す。 また、スピロ骨格を有するスピロリングジン類の合成についても検討を進めている。これまでに、各構成パーツを連結し、必要な炭素数を有する鎖状中間体を合成した後、一つ目の環化反応まで進行することを確認している。今後は、酸化度の調整と、スピロ環形成反応の検討を実施し、最終年度中の全合成達成を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に予定していたオレゴネンシン A の全合成を達成するとともに、関連天然物 3 種の不斉全合成まで達成することができた。特に、本研究の合成戦略である「構成パーツの連結と環化位置の制御」により、計4種の天然物の全合成を達成できることを確認し、さらなる類縁天然物や人工誘導体合成への応用が期待できる。 当初、2年度目に計画していたアプラナタモール Eの合成については、全合成達成には至らなかったが、鍵反応のひとつである転位反応が進行することを確認している。全合成達成まで残り数工程の予定であり、近日中の全合成達成を目指す。 さらに、3年度目の計画であるスピロリングジン類の合成について、検討を進めることができており、研究計画全体として、おおむね順調に進展しているものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
アプラナタモール Eおよびスピロリングジン類の全合成達成に向け、検討を進める。 アプラナタモール Eの合成研究については、芳香環部分の導入により「構成パーツの連結」を完了した後、酸化度の調整と環化反応の検討を行う。 スピロリングジン類の合成研究においては、各構成パーツを連結し必要な炭素数を有する鎖状中間体を合成した後、一つ目の環化反応まで進行することを確認している。今後は、合成戦略に基づき、酸化度の調整とスピロ環形成反応の検討を実施し、全合成達成を目指す。
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