研究課題/領域番号 |
21K14803
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
|
研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2021) |
研究代表者 |
北風 智也 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 助教 (50874278)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 骨格筋 / ビタミンA / 運動 / 筋肥大 / マイオカイン |
研究開始時の研究の概要 |
運動後の骨格筋でビタミンA代謝酵素の発現が亢進することを見出しているが、ビタミンA代謝酵素の発現調節機構と、運動後の骨格筋におけるビタミンAの機能は不明である。本研究では、①運動後の骨格筋で活性化する転写因子としてHIF-1αに着目することでビタミンA代謝酵素の発現調節機構の解明を目指すとともに、②マイオカインに着目することで運動後の骨格筋におけるビタミンAの機能の解析を行う。
|
研究成果の概要 |
トレッドミルを用いた強制運動によって、マウス肝臓中レチニルエステルと骨格筋中レチノール量が増加した。また、運動を模した代償性過負荷モデルを用いて骨格筋を解析した結果、過負荷によって、ビタミンAの取り込みに関与するタンパク質の発現量が顕著に増加した。ビタミンA欠乏食の摂取は過負荷による骨格筋量の増加量を低下させた。また、マウスの足底筋にレチノイン酸受容体のアンタゴニストを投与した結果、過負荷による骨格筋量の増加量とタンパク質合成の増加率が低下した。以上の結果から、運動によってビタミンA代謝が変動することが明らかとなり、運動による骨格筋量の増加にビタミンAシグナルが関与することが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨格筋量の低下は運動機能の低下だけでなく2型糖尿病などの代謝疾患のリスク増加にもつながる。骨格筋の量的・質的な増強には運動が有効であるが、運動による骨格筋の量的・質的な増強効果の分子機構は未だ不明な点が多い。本研究から、運動によって身体のビタミンA代謝が変化し、運動による骨格筋量の増加にビタミンAシグナルが関与することが明らかとなった。これらの成果は運動による健康増進効果におけるビタミンAシグナルの重要性を新たに示したものであり、学術的価値は高い。また骨格筋でのビタミンA代謝を調節することがロコモティブシンドロームやメタボリックシンドロームへの対応策にもなり得ることが期待される。
|