研究課題/領域番号 |
21K14820
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
|
研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
宮崎 希 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (40725876)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | エクオール / 大豆イソフラボン / 加齢性難聴 / 過活動膀胱 / 卵巣摘除 / 排尿筋過活動 / 免疫老化 / 機能性食品 / 膀胱機能障害 / シリンガレシノール |
研究開始時の研究の概要 |
加齢関連疾患に対する予防医学の発展は、高齢化社会に適応するための喫緊の課題となっている。特に植物性化学物質などの食餌成分による加齢関連疾患の予防は、個人レベルで実施できる予防策として非常に注目されている。 本研究では、加齢性難聴モデルマウスおよび閉経に伴う膀胱機能障害モデルラットを用いて植物性化学物質を含んだ飼料を摂取することで、加齢関連疾患の発症を予防することができるかを明らかにする。そして、植物性化学物質のエクオールおよびシリンガレシノールが免疫機能、腸内細菌叢、酸化ストレスに対してどのような影響を及ぼすか解明すること目的とする。
|
研究実績の概要 |
本年度は、C57BL/6Jマウスを使用して加齢性難聴の発症に対するエクオールの予防効果を検討した。24週齢から48週齢まで飼育し、24、36、48週齢において聴性脳幹反応を測定し、可聴閾値の上昇を評価した。 48週齢において、体重および摂餌量に変化は見られなかった。体重に対する胸腺の重量比は24週齢に対して48週齢では有意に減少がみられたが、エクオール群は対照群に比べ減少が軽減していた。48週齢における24 kHzの可聴閾値はエクオール群で有意に低かった。また、脾臓において免疫老化の指標となるナイーブT細胞の減少およびメモリーT細胞の増加をエクオールは有意に抑制していた。血中サイトカインのIL-1beta、IL-6、TNF-alphaを比較したところ、IL-1betaでのみエクオールが上昇を軽減していた。蝸牛らせん神経節の脱落においてもエクオールが脱落を軽減していた。 これらのことから、エクオールは免疫老化を抑制し、蝸牛らせん神経節の脱落を軽減することで加齢性難聴の発症を予防している可能性が示唆された。 卵巣摘除ラットにおける膀胱過活動に対するエクオールの予防効果の検討では、初年度からの継続で予定数の実験を終えた。エクオールが膀胱過活動の発生を予防する可能性を示唆する結果となったが、病態対照群の進行が想定よりも弱く有意差が認められなかった。そのため、卵巣摘除後の飼育期間を2か月から4か月に延長して再検討を行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウスを用いた加齢性難聴の検討は予定通り進んでいるが、ラットを用いた膀胱過活動の検討が当初の予定より遅れている。さらに追加の検討が必要となったため当初の計画より遅れていると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
加齢性難聴の検討においては腸内細菌叢への影響を確認するために次世代シークエンサーを用いた糞便の細菌叢解析を行う。 卵巣摘除による膀胱過活動の検討においては飼育期間を2か月から4か月に延長して再検討を行う予定である。
|