研究課題/領域番号 |
21K14841
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
廣岡 義博 近畿大学, 農学部, 講師 (80780981)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | イネ / ダイズ / ササゲ / 植生指標 / 収量予測 / 分光放射 / ドローン / 機械学習 / 葉面積 / 被覆率 / 成長解析 / 非破壊計測 / 葉面積指数 / 分光反射計測 / 群落表面温度 / 無人飛行体 |
研究開始時の研究の概要 |
現在までに多頻度の葉面積指数計測と数理モデルを利用した作物の生育動態に関する定量的評価手法の開発を行ってきたが,この評価手法では群落閉鎖後の生育情報に関する評価は難しく,また,広域評価も困難であった.そこで本研究では,生育期間を通した広域評価への応用を前提に,群落外からの分光反射計測に加えて,群落閉鎖後の植物状態を評価するための群落表面温度計測を行う.これらの計測値と数理モデルを利用することで,生育期間を通して植物状態を把握するための手法を開発し,さらに無人飛行体による広域展開可能性を検討する.
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研究実績の概要 |
研究代表者は現在までに作物の生育動態に関する定量的評価手法の開発を行ってきたが,この手法では広域評価が困難であった.そこで本年度は,作物の生育動態の広域評価のための手法を検討することを目的として,以下の実験・解析を行った. ①水田転換畑でのダイズ生育量推定に適した植生指標の検討:水環境に関して圃場内変動の大きい農家圃場でダイズ栽培を実施し,近距離分光放射計測による生育量推定に適した植生指標の検討を行った.その結果,NDVIによる評価では生育中期以降の生育量推定が困難であるのに対して,EVIやEVI2を用いることで生育中期以降の生育量を評価できる可能性が示された. ②多様な栄養環境下でのイネ葉面積指数(LAI)動態の広域予測手法の検討:異なる施肥水準を設定した水田において群落構造に特徴を有するイネ2品種を栽培した.近距離分光放射計測に加えて,ドローンを利用した分光放射計測を行った.近距離,ドローン計測ともに植生指標の中では,CVIがLAI動態評価に最も適している指標であることが示された. ③機械学習を利用したササゲ収量予測精度の検証:西アフリカのブルキナファソにおいて異なる土壌環境下で栽培した20品種のササゲの被覆率,土壌肥沃度,生育期間を説明変数とした収量推定を試みた.非破壊計測によって算出した被覆率は,収量予測に有効なパラメータであった一方で,土壌肥沃度や生育期間を変数として追加しても,予測精度は高くならなかった.また,機械学習手法は,本研究における低生産性地域においては従来の重回帰法に対する優位性はなかった.つまり,機械学習手法は,主に作物バイオマスに基づいて収量が決定される本研究の対象環境においては,予測精度を向上させることはできなかった.さらに,収量の予測精度は,土壌の種類や栽培品種型によって異なることを明らかとした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,被覆率計測に加えて分光放射計測を実施することで,多様な植生指標の検討を行うことができた.水田転換畑における栽培下でのダイズ生育量と多様な栽培環境下におけるイネのLAI動態評価に有用な植生指標をそれぞれ特定することができた.また,デジタルカメラで簡易的かつ連続的に被覆率を計測することが西アフリカでのササゲ収量予測に有用であり,解析手法として有効な機械学習モデルを特定することができた.また,これらの予測モデルに対する好適な土壌環境や品種型を検討した.一方で,気象環境や管理方法(施肥・栽植密度)などによる推定誤差の違いはいまだ明らかになっておらず,詳細なデータ収集および解析を引き続き行っていく必要があり,最終年度の課題とした.このような理由から,おおむね順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
本年度はイネとダイズともに生育動態評価のために適した植生指標を特定することができた.今後は異なる環境で同様の試験を繰り返し,広域評価のための植生指標の検討を引き続き行っていく予定である.また,機械学習を利用した収量予測に関して,今後はさらに多頻度の計測値による収量予測や多様な栽培環境・管理方法におけるデータを収集・解析し,機械学習モデルの有効利用方法をさらに詳細に検討していく予定である.さらに,非破壊計測による群落構造の定量化を行い,生産性の評価精度の向上を目指す.
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