研究課題/領域番号 |
21K14848
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西山 総一郎 京都大学, 農学研究科, 助教 (50827566)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 果樹 / プロアントシアニジン / 倍数性 / 果実品質 / ゲノム / ゲノム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
カキは他の植物とは異なり、普遍的な二次代謝物であるプロアントシアニジン (PA) を、果実発達の長期間にわたって多量に蓄積する。このPA蓄積の継続性を失った変異体が栽培種の「完全甘ガキ」である。カキのPA蓄積の多様性は長年興味がもたれてきたが、カキは高次倍数体であることから遺伝学的解析は進んでいない。本研究では遺伝解析により、栽培ガキに見られるPA蓄積制御の多様性の基盤となるメカニズムの同定と解明を目指す。
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研究成果の概要 |
カキの完全甘ガキ性決定遺伝子座 (AST) の解析とプロアントシアニジン蓄積制御メカニズムの解明を目指した研究を実施した。AST領域約900 kbの領域において、甘渋間で明確に発現変動するmRNA、smRNAは存在しなかった。また分離後代と品種群を用いた解析により完全甘ガキ性と連鎖する多型が134個得られたが、非同義置換は得られなかった。一方で多型のパターンから有力な候補遺伝子が同定された。ナノポア等を用いてAST領域の種間構造差異に関する情報を得た。さらに、カキ育種の課題である「渋残り」形質を示す個体を解析し、ASTの遺伝子型とは独立にPA含量により制御されていることを示唆する結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、完全甘ガキ性を制御する有力な候補遺伝子を特定した。また、AST領域の多型パターンやゲノム構造の種間差異に関する情報を得た。さらに「渋残り」形質の制御メカニズムに関する知見を得た。これらの成果は、マーカー選抜やゲノム育種を通して効率的なカキ育種への応用が期待できる。また、得られた新たな材料や知見はカキの特異なプロアントシアニジン蓄積パターンの解明に今後展開される。
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