研究課題/領域番号 |
21K14849
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 山形大学 (2022) 島根大学 (2021) |
研究代表者 |
渋谷 知暉 山形大学, 農学部, 准教授 (60818219)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | ブドウ / 果実発達 / ジベレリン応答 / 転写因子 / シベレリン応答 |
研究開始時の研究の概要 |
ブドウの種なし栽培に利用されるジベレリン(GA)に対する植物の応答を考える上で,GAを受容するGID1の機能は極めて重要である.申請者は,ブドウ‘デラウェア’のGA高感受性の突然変異系統において,GID1およびその共役因子であるSLY1の遺伝子発現が通常系統よりも高いことを見出した.本研究では,ブドウ‘デラウェア’のGA高感受性系統における発現変動遺伝子や発現配列の変異を探索し,GAシグナリングの導入部を担う遺伝子群の発現制御機構を検討する.本研究から得られる知見は植物生理学的にも新規で重要なものになるだけでなく,突然変異の態様によっては育種利用に展開し得る.
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研究実績の概要 |
ブドウの種無し化や果粒肥大を促進するジベレリンに対する応答を担うGID1遺伝子の発現制御について、ブドウ‘デラウェア’の大粒化する突然変異系統(大粒系統)を用いて研究を進めてきた。当該大粒系統では、何らかの遺伝子突然変異によってGID1遺伝子の発現が高いことがすでに明らかになっている。遺伝子発現の網羅解析によって、果粒発達期の大粒系統と‘デラウェア’の果粒における遺伝子発現を比較することで、突然変異の原因遺伝子候補を絞り込んだ。その中でも、果実発達に関与することが報告されているOvate Family Protein(OFP)遺伝子の発現の違いに注目した。このOFP遺伝子の果粒における発現は、大粒系統において‘デラウェア’よりも著しく低かった。OFP遺伝子の相同遺伝子の中には、トマトなどの果実の形状の制御やサイズの抑制を担うものが報告されているため、このOFP遺伝子が大粒系統における果粒発達に寄与している可能性が考えられた。また、OFP遺伝子の発現配列を調べたところ明確な系統間差が認められなかった。次に、果実発達のモデルとして用いられるトマト‘Micro-Tom’に当該OFP遺伝子を導入してその機能の検証を図った。OFP導入‘Micro-Tom’においては、葉、茎、花などの全ての器官が極端に小さくなり、当該OFP遺伝子が果実だけでなく植物体の器官サイズを抑制することが明らかになった。しかし、OFP導入‘Micro-Tom’は正常な果実を実らせることができず種子が得られなかったため、果実におけるGID1遺伝子の発現制御に関する実験ができなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、ブドウにおけるGID1の発現や果粒発達に関与する可能性の高い候補遺伝子として見出されたOFP遺伝子について、植物体の器官サイズを抑制する役割を明らかにすることができた。また、ブドウにおける当該OFP遺伝子の配列や相同遺伝子の発現について検証することで、当該OFP遺伝子が大粒系統における突然変異の重要な原因遺伝子候補であることを示せた。OFP遺伝子の機能解析については課題が残ったが、当初計画に照らして十分な進捗であると考えられた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、果実だけでOFP遺伝子を発現させるように調整を行なってOFP導入‘Micro-Tom’を作出しGID1遺伝子の発現とOFP遺伝子の機能について検証する。OFP導入‘Micro-Tom’におけるGID1遺伝子の発現レベル、ジベレリン応答性を含めた形質評価を実施する。 また、プロモーターアッセイによりGID1遺伝子の発現調節因子を探索する。この際、OFPがGID1の発現制御に直接関与しない可能性を考慮して、OFP遺伝子以外の原因遺伝子候補のうち、転写因子であるものについても全て同実験にて検証を行う。
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