研究課題/領域番号 |
21K14874
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39070:ランドスケープ科学関連
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
金澤 弓子 東京農業大学, 地域環境科学部, 准教授 (50572517)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | サクラ / 都市 / カンヒザクラ / 環境ストレス / 土壌 / 滞水 / 耐寒性 |
研究開始時の研究の概要 |
サクラ類は都市において親しまれてきた樹木であり、近年は樹形がコンパクトな樹種の要望から、カンヒザクラ系統の植栽事例がみられるようになった。しかし、これら植栽個体の衰退事例が報告されており、特に冠水耐性、耐寒性に注目して、生理生態的な要因究明を行うことが必要であると考えられた。そこで本研究の課題は、都市に生育するサクラ(カンヒザクラ系統)の衰退要因を、異なる冠水条件、温度条件下での生育試験および、体内糖分分析によって究明することとした。
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研究成果の概要 |
本研究では、都市に植栽されるカンヒザクラとその系統の衰退要因を調査した。圃場実験で滞水区では成長が抑制され、排水区では良好な成長が見られた。また、現地調査で土壌の気相率と衰退度には負の相関があり、液相率と土壌表面硬度には正の相関があった。これにより、排水不良がカンヒザクラ(系統)の生育に負の影響を与えることが示された。さらに、カンヒザクラ(系統)は従来暖地が適地とされ、冬の低温が衰退要因となる可能性がある。糖分蓄積の季節的変動を分析した結果、ある程度の耐寒性は有すると考えられたが、衰退個体では糖分量が低い傾向があった。これらから、良好な排水環境と冬季の低温対策が重要であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、制限の多い都市の植栽環境において、カンヒザクラの生育に影響を与える要因を理解し適切な管理の一助となる。また、一連の調査によって衰退の指標として利用できる調査項目が示され、対照として用いた他のサクラ類に対しても応用ができる。これにより、都市におけるサクラの適切な種類選択と健全な育成に役立てることができる。
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