研究課題/領域番号 |
21K14875
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 名城大学 (2022-2023) 信州大学 (2021) |
研究代表者 |
森 智基 名城大学, 農学部, 研究員 (40879897)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | ツキノワグマ / 集落 / GPS首輪 / 軋轢 / 隠蔽度 / カバー / 開空度 / 植生 / 休息 / 採食行動 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、ツキノワグマにとって好適な環境(豊富な餌や隠れ場がある環境)が集落に増え、 それらを利用するクマと人間の軋轢が多発している。クマ問題を改善するうえで決定的に不足しているものは、集落やその近辺でクマがどのように人間を回避し行動しているか、あるいはしていないのかといった、集落での詳細な利用形態に関する知見である。本研究では、夏に集落を利用するツキノワグマの採食場所・休息場所・移動経路の環境選択性とそれらを利用する時間帯を調べることで、クマの集落利用形態の詳細を明らかにすることである。また、それらを明らかにしたうえでクマとの遭遇リスクを軽減するための提言を行う。
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研究成果の概要 |
本研究は、中央アルプスに生息するツキノワグマを対象に、人間の集落周辺の林地を使用する際の休息場所および活動場所の特性や、人間の活動がクマの局所生息地選択に与える影響を明らかにすることを目的とした。本研究の結果から、ツキノワグマは一貫して人間活動を避けており、ほかのクマ種と同様に人間を避ける行動戦略をとっていることが明らかとなった。集落内の林地にクマを寄せ付けないためには、集落近くの林地にバッファゾーンを設け、低木を取り除くことで、水平方向の視界を少なくとも25メートル確保し、クマの侵入を防ぐことが重要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、集落近辺でのツキノワグマの行動と局所生息地選択に関する新たな知見を提供し、特に人間活動の影響について明らかにした。クマは日中には隠蔽度の高い場所を休息地として選択しており、夜間に活動することが示された。これにより、クマが一貫して人間を時間的・空間的に避けていることが明らかになった。これらの情報は、集落内の林地管理や人間とクマの共存対策に重要な情報を提供する。具体的には、バッファゾーンの設置や低木の除去、食物資源の管理が有効であり、これらの対策はクマと人間の安全な共存を促進するための実践的な提言として活用可能である。
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