研究課題/領域番号 |
21K14902
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
高山 佳樹 創価大学, 理工学部 プランクトン工学研究所, 助教 (00897605)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 海産浮遊性カイアシ類 / 繊毛虫 / 食品廃棄物 / プランクトン工学 / 生物餌料 / 卵生産 / 旋毛虫 / 微生物食物連鎖 |
研究開始時の研究の概要 |
"海のお米"と称されるカイアシ類は栄養価が高く、理想的な生物餌料として、魚類種苗生産での利用が期待されている。しかし、カイアシ類の大量培養は、生産性が低く、生産コストが高いという課題がある。 カイアシ類培養では微細藻類を餌料に用いますが、微細藻類培養には栄養、光源や曝気エネルギが必要であり生産コストが高い。 本研究ではカイアシ類が自然界で捕食している繊毛虫(ゾウリムシの仲間)に着目した。繊毛虫は食品廃棄物で育てることが可能で、旋毛虫を与えるとカイアシ類の卵の生産数が増加する例が報告されているため、食品廃棄物で育てた旋毛虫をカイアシ類へあたえるプロセスを確立し生産コストの削減と生産性向上を目指す。
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研究成果の概要 |
単離した繊毛虫 Euplotes vannusを、浮遊性カイアシ類(Acartia steueri, Oithona oculata, Pseudodiaptomus nihonkaiensis)に給餌する実験区、微細藻類を給餌する対象区を設けて飼育実験を行った。A. steueriは繊毛虫区において生存率が低下し、卵生産が停止した。P. nihonkaiensisは生産された卵数は微細藻類区の半数であった。O. oculataは繊毛虫区の生存率は微細藻類区を上回り、卵数は微細藻類区と同程度の値を示した。提案する繊毛虫を餌料として用いるプロセスにはO.oculataが適すると示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今日までは、微細藻類を餌料とした、生食食物連鎖を利用したカイアシ類培養のみであったが、本研究では食品廃棄物を起点とした微生物食物連鎖の駆動によってカイアシ類培養を行う全く新たな試みであり、国際的に前例がない(図 3)。また、繊毛虫は必須脂肪酸生合成能を有することから、繊毛虫を介することによって、合成された必須脂肪酸がカイアシ類へ転送される(Trophic upgrading)。このような自然界での現象を人工環境下での培養へ応用した点に独自性がある。
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