研究課題/領域番号 |
21K14948
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
中島 周作 神戸大学, 農学研究科, 助教 (00896938)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | デンプン / ラマン分光 / 農産物 / 食味 / 産業用途 / テラヘルツ・ラマン分光 / 糖 / 甘味 |
研究開始時の研究の概要 |
デンプンは農産物の甘味や産業用途を決める重要な生体分子であるにも関わらず、あまりにも巨大な分子であるため既存の分析技術で非破壊計測は困難であり、デンプンに注目した農産物の品質評価技術は無い。本研究ではテラヘルツ分光や低周波ラマン分光など新たな技術を駆使して非破壊的にデンプンを計測できる技術開発を進めていく。本研究によって創出される分析技術を活用することで、食味や産業用途を予め予想できるため農産物の高付加価値化や食品ロス削減に貢献するものと期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、これまで簡易測定が困難であった農産物内のデンプンをラマン分光で測定してきた。ラマン分光の低波数領域では分子構造がスペクトルに反映されるため、農産物切断面を測定すると、生体内でも結晶構造を保つデンプンのピークが選択的に得られることを発見した。またピーク強度と化学分析で定量したデンプン量に相関も得られたため、これまで数日を要していたデンプン計測がわずか数十秒に短縮された。一方で、切らずの表皮がある状態で測定すると色素の蛍光がスペクトルに強く表れ、微弱なラマン散乱光は埋もれてしまう。従って、表皮ごとの非破壊計測を達成するには、蛍光をいかに抑えるかが今後のカギとなる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
デンプンは農産物の食味や産業用途を決める重要な成分であるが、巨大分子であるため既存の分析技術で簡便に測定できなかった。これに対して、本研究成果によりラマン分光を用いて農産物断面を測定することでデンプンをわずか数十秒で簡易測定できることが示された。現状、蛍光物質の影響で皮ごとの非破壊計測を達成するにはさらなる工夫が必要となるが、低蛍光の農産物や断面を測定することで、収穫時のデンプン量から『農産物の食味や産業用途』を評価できることから、高付加価値化の推進や産業の発展に寄与するだけでなく、これまでデンプン量が把握できないために起きていた食品ロスの削減にも貢献していく技術となり得る。
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