研究課題/領域番号 |
21K14983
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
前川 直也 北海道大学, 獣医学研究院, 特任助教 (70829035)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 獣医学 / 免疫学 / 腫瘍免疫 / 小動物(イヌ) / 免疫チェックポイント阻害薬 / 抗体薬 / 免疫療法 / がん免疫療法 / イヌ / バイオ医薬品 / 免疫チェックポイント |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトと同様、イヌにおいても長寿命化に伴い腫瘍による死亡が増えている。イヌ腫瘍に対しては、外科手術、放射線療法、抗がん剤治療などが行われるが、新たな治療の選択肢として免疫療法の開発が急がれる。我々の研究グループでは、新規免疫療法としてイヌ用免疫チェックポイント阻害剤である抗PD-L1抗体を開発し、その効果を報告してきたが、より高い有効性を得るためにはさらなる工夫が必要と考えられた。そこで本研究では、イヌの難治性腫瘍に対する新規治療薬の樹立を最終目標として、免疫チェックポイント阻害抗体の高機能化を行い、実験室レベルでその機能を評価したのちにイヌへの投与試験を行い、安全性や有効性を評価する。
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研究成果の概要 |
本研究ではイヌの腫瘍に対する新規免疫療法としてこれまでの免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-L1抗体)を基盤に新規抗体薬候補を作出し、その機能評価を行った。まず、抗PD-L1抗体の治療効果との関連がある免疫関連分子の解析を行い、数種類の候補因子を同定した。その中のひとつの免疫抑制因子について阻害薬を開発し、抗PD-L1抗体との組合せによる新規抗体薬候補を作製した。新規抗体薬候補は、イヌの免疫担当細胞を良好に活性化し、実験用犬に対する反復投与において安全性に問題は認められなかった。本研究によりイヌ用抗体薬開発技術が進展し、その臨床応用に向けた道筋を拓くことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で同定した免疫チェックポイント阻害薬の効果に関連のある因子群は、同治療に対する抵抗性因子である可能性があり今後治療標的として併用治療法の開発につながる可能性がある。また、本研究で検討したイヌ用抗体薬の作製技術はイヌに対する抗体医薬開発のモデルケースとなり、動物用抗体薬開発の発展につながると考えられる。イヌ腫瘍はヒト腫瘍のモデル疾患ともなりうることから、イヌ腫瘍における新規治療法の有効性や安全性等の情報は、医薬品開発にも有用である可能性がある。
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