研究課題/領域番号 |
21K14997
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山本 祥也 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 助教 (90825845)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | Class A CpGオリゴDNA / DNanocap / 経口粘膜アジュバント / 免疫グロブリンA / マウス / DNAナノカプセル / 免疫 / 感染症 |
研究開始時の研究の概要 |
CpGオリゴDNA(CpG ODN)は免疫機能性を有する核酸素材であり、感染症やがんの予防・治療におけるアジュバント(免疫増強因子)としての利用が期待されている。申請者は、これまでに、安定かつ効率的にCpG ODNを腸管に送達するDNAナノカプセル(DNanocap)の開発に成功した。また、Class Aに属するCpG ODNが腸管粘膜免疫応答を増強することを見出した。そこで本研究では、これら2つの素材を組み合わせ、感染症に対する経口粘膜アジュバントの創製を目指す。
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研究成果の概要 |
感染症に対する経口粘膜アジュバントを創製するために、免疫グロブリンA(IgA)産生を増強する免疫機能性核酸(Class A CpG ODN)と胃酸や消化酵素からCpG ODNを保護するDNAナノカプセルを組み合わせたCpG-A1585capをマウスに経口投与し、アジュバント活性の検証と安全性試験を実施した。卵白アルブミン(OVA)経口感作マウスモデルにおいて、CpG-A1585capとOVAの共投与による糞便の分泌型IgA量の増加が認められたが、抗原特異的IgA量の増加は認められなかった。また、CpG-A1585capによる個体外観や体重、生化学的な変化は認められず、安全性が確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
感染症の制御には、粘膜面からの病原体の侵入を阻止することが重要な戦略として考えられている。代表的な経口粘膜アジュバントとしてコレラ毒素や大腸菌易熱生毒素が知られているが、その毒性による顔面神経麻痺のような副作用発現が臨床応用を妨げており、安全かつ効果的な経口粘膜アジュバントは実現できていない。その中で本研究は、CpG-A1585capによる腸管免疫増強作用を明らかにし、さらに安全性も実証した。経口粘膜アジュバントとして抗原特異的免疫応答にまで働きかける仕組みを検証するなどの課題は残るが、本研究成果によりCpG-A1585capを用いた新たな腸管免疫増強戦略を提案できるため、社会的意義も大きい。
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