研究課題/領域番号 |
21K15017
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 (2022-2023) 広島大学 (2021) |
研究代表者 |
衣笠 泰葉 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 ヘルス・メディカル微生物研究センター, 研究員 (60852118)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | クロマチン / ラミン / 核構造 / DNA損傷 / 相同組換え修復 / DNA損傷修復 / Rad51 |
研究開始時の研究の概要 |
DNA二本鎖切断(DSB)が発生すると、修復因子が集結し巨大なDNA修復ドメインが形成される。しかし、DNA修復ドメインが形成維持されるメカニズムは未だ不明な点が多い。先行研究より、核骨格タンパク質ラミンA及びB1は、DSBの相同組換え修復因子Rad51と結合し、Rad51フォーカスの形成に寄与していることが明らかとなっている。哺乳類細胞において、DNA修復ドメインの多くは核質内に局在しているため、この機能を担っているのは、核ラミナではなく核質中に少量存在する核質ラミンであることが考えられる。本研究課題は、核骨格タンパク質がDNA修復ドメインの形成に寄与する分子メカニズムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、DNA二本鎖切断によって形成されるDNA修復ドメインの形成過程における核骨格タンパク質の役割について解明するため、核骨格タンパク質Lamin B1と相同組換え修復因子RAD51に着目し、Lamin B1がDNA損傷時のRAD51凝集に関与していることからこれらの結合特性について解析を行った。その結果、Lamin B1は通常のDNA非損傷時においてRAD51とクロマチン結合性画分にてRAD51と相互作用することでRAD51の待機場所としての役割を持ち、DNA損傷発生時にはその結合を緩めることでDNA損傷修復ドメイン形成に向けたダイナミックな構造変化を促していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、核内タンパク質の核膜局在化や核膜直下のクロマチン発現制御など核ラミナにおけるラミンの役割は明らかになりつつあるが、核膜直下以外における機能はあまり知られておらず、核内ドメイン形成への関与は未だ不明な点が多い。本研究結果は、ラミンによる核内ドメイン形成を促進するメカニズムの解明のために重要な知見をもたらすものであり、核骨格タンパク質の新たな役割を提唱するものである。
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