研究課題/領域番号 |
21K15067
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43050:ゲノム生物学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
前田 亮 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 特任助教(常勤) (90814575)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ヘテロクロマチン / H3K9メチル化 / 遺伝子発現抑制 / HP1 / H3K9me3 |
研究開始時の研究の概要 |
DNAとヒストンタンパク質によって構成されるクロマチンは、さまざまな化学修飾を受けて凝集または弛緩することで、遺伝子の発現を制御する。クロマチン構造の破綻は、個体の正常な発生を妨げ、がんなどの疾患をひきおこす。本研究は、クロマチンを凝集させるヒストン修飾H3K9me3に着目し、クロマチン凝集構造の形成メカニズムを明らかにする。クロマチン上にH3K9me3を付加するために必要なタンパク質を解明し、培養細胞内でクロマチン凝集構造を破壊あるいは再形成させることで、クロマチン凝集構造の意義の理解を目指す。
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研究成果の概要 |
クロマチンを恒常的に凝集させる構成的ヘテロクロマチン(以下、ヘテロクロマチン)は、細胞の独自性を規定するための遺伝子発現制御に不可欠である。しかし、ヘテロクロマチンが細胞内でどのように形成されるか、その分子メカニズムは不明な点が多い。ヘテロクロマチンはヒストン修飾H3K9メチル化にHP1が結合することで形成される。そこで、HP1を欠損させたマウスES細胞を作出し、メチル化酵素に対するHP1の役割を解析した結果、HP1がH3K9メチル化酵素や脱メチル化酵素のタンパク質安定化を促進することでヘテロクロマチンの形成に関与していることが明らかとなった。これらの研究成果はEMBO Rep誌に掲載された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果により、HP1とH3K9メチル化酵素・脱メチル化酵素の結合が、これらの酵素の安定化に必須であることが明らかとなった。早期老化症やがんなどのさまざまな疾患でH3K9メチル化の異常は観察される。これらの酵素とHP1の結合領域に入り結合を阻害、あるいは促進する薬物を開発することで、H3K9メチル化の異常が原因で引き起こされる疾患に対する治療法を提案できる可能性がある。
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