研究課題/領域番号 |
21K15069
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43050:ゲノム生物学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
斎藤 慎太 横浜市立大学, 理学部, 助教 (60837897)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | DNA修復 / 組換え / 二本鎖切断 / Alu / 非相同組換え |
研究開始時の研究の概要 |
細胞のゲノムDNAは、さまざまな内的・外的要因により絶えず損傷を受けている。最も危険なDNA損傷である二本鎖DNA切断は、ヒト細胞では非相同末端連結(NHEJ)または相同組換えによって効率良く修復されるが、これら2つの修復機構とは異なるマイナーな経路も存在する。本研究ではヒト細胞を使った逆遺伝学的な解析により、マイナーな二本鎖DNA切断修復経路であるalt-EJとSSAの分子機構と細胞内での役割を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、alt-EJに必要不可欠なPolθの機能に着目し、このタンパク質の構造機能相関解析を行い、ATPaseドメインとPolymeraseドメインだけでなく、Polθのユニークな3ヶ所の挿入配列もalt-EJに重要な機能を果たしていることを明らかにした。また、独自に構築したAlu-Alu組換えの頻度を定量的に調べることができるアッセイ系を利用し、種々の遺伝学的な解析を行った結果、Alu-Alu組換えに関わる新規因子を複数同定した。本研究の成果は、二本鎖DNA切断修復機構の全容解明のみならず創薬医療分野への応用に向けても重要な示唆を与えることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
二本鎖DNA切断は最も危険なDNA損傷であり、不完全な修復はがん化や細胞死を引き起こす。そのため、二本鎖DNA切断が細胞内でどのように修復されるのかを理解することは、ゲノム安定性維持機構の具体像やがん化との関連についての正確な理解に役立つだけでなく、放射線や抗がん剤を用いたがん治療に重要な示唆を与える。本研究ではDSB修復経路であるalt-EJおよびAlu-Alu組換え(SSA)の分子機構の一旦を明らかにすることができた。これらの結果は、DSB修復機構の全容解明のみならず創薬医療分野への応用(特に抗がん剤開発)に向けて重要な示唆を与えると期待される。
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