研究課題/領域番号 |
21K15095
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
藤原 佐知子 生理学研究所, 生体機能調節研究領域, 特任助教 (40771879)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | タイトジャンクション / 細胞接着 / 細胞骨格 / 細胞運動 / アクチン細胞骨格 / 上皮細胞 / 細胞集団運動 |
研究開始時の研究の概要 |
上皮細胞の集団移動は形態形成や創傷治癒を始めとする生体の生理機能に重要である。協調的な集団運動には、細胞間/細胞-基質間の接着と細胞骨格の統合的な再構築による細胞内外の力のバランス制御が鍵となる。本研究では、細胞間接着複合体の一つであるタイトジャンクションに注目し、タイトジャンクションを中心とした細胞全体の接着と細胞骨格の相互依存的な制御の分子機構を同定する。さらにその仕組みが細胞のメカニクスや細胞内外の力の発生にどのように影響し上皮細胞の集団運動に貢献するのか、その生理的意義を解明する。
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研究成果の概要 |
上皮の生理機能には、上皮細胞の接着と細胞骨格の統合的かつ適切な再構築が重要である。本研究で、上皮細胞の細胞間接着であるタイトジャンクション(TJ)の形成と細胞骨格構築および細胞極性形成に相関があり、その分子機構としてTJがRhoAシグナル経路の活性を負に制御することが明らかになった。さらに細胞の集団運動について、TJが基質の硬さ依存的な集団運動の制御に関与することが分かった。これらの成果はTJが細胞の全体的な構造と機能を制御する役割をもち、その働きが上皮の生理機能に重要である可能性を示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
上皮の恒常性維持には、上皮細胞の接着や細胞骨格の適切な制御が必須である。その機構において、上皮細胞の細胞間接着であるタイトジャンクション(TJ)が重要な役割を担うことが本研究で明らかとなった。さらにその分子機構を見出すとともに、生理機能として細胞のメカニクスと集団運動制御に関わることが分かった。これまでTJについては、細胞間隙のバリアとしての役割が広く研究されてきたが、それ以外の機能は不明な点が多かった。本研究成果は、TJを中心とした細胞の全体的な構造と機能の制御および生理機能制御という新しい観点を提案するものであり、分野の発展に貢献する意義のある成果である。
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