研究課題/領域番号 |
21K15096
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 東京大学 (2023) 国立研究開発法人理化学研究所 (2021-2022) |
研究代表者 |
加藤 孝信 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (80844935)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 一次繊毛 / メカノバイオロジー / 左右軸決定 / シグナル伝達 / カルシウムイメージング / シグナル制御 / メカノセンサー / プロテオミクス |
研究開始時の研究の概要 |
細胞外の生体情報を受容し細胞をコントロールすることは、多細胞生物の恒常性維持や形態形成に重要である。細胞から伸びたアンテナのような小器官である一次繊毛は、細胞外の生体情報を感知するセンサーとしての機能を担う。これまでの研究から、一次繊毛では細胞外フロー刺激により、繊毛内Ca2+流入が起こることが知られている。一方で「繊毛からの情報が細胞にどのように作用しているのか」というその下流の経路に関しては未解明なままである。 本研究では独自の顕微鏡技術を軸に、繊毛に入力された情報が、どのように細胞内の遺伝子発現や酵素活性変化などのシグナル活性を制御するかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
細胞の内と外との生体情報の伝達はさまざまな生命現象に必須であり、一次繊毛はその情報を受容する重要な細胞小器官である。一次繊毛では細胞外流れ刺激により、繊毛の膜に局在するチャネルが活性化されて、細胞内Ca2+流入が起こることが知られているが、その詳細な機構は未解明であった。 本研究では、培養細胞にフローを与えるハイスループットシステムによるスクリーニングと、繊毛内での1分子動態観察により、マウスノード不動繊毛において一次繊毛が向きを感知しているという、新たな機能を発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一次繊毛の異常は、繊毛病に総称される重篤な症状を引き起こすことが知られる。ほぼ全ての哺乳類細胞において一次繊毛が存在することが知られている一方で、繊毛の流れ刺激受容に関しては、技術的障壁から研究が進んでいない。 本研究において、一次繊毛の流れ刺激研究に適応可能な2つの技術開発 (①培養細胞にフローを与えるハイスループットシステム及び②繊毛内での1分子動態観察技術) により、今後の一次繊毛のメカノバイオロジー研究の進展が期待される。 さらに、ノード一次繊毛における向き感知機構の発見は、左右軸決定機構の異常に直結することから、内臓逆位や内臓錯位といった病態のメカニズム解明につながることが期待される。
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