研究課題/領域番号 |
21K15097
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
越智 翔平 東北大学, 医学系研究科, 助教 (30884217)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 性差 / 性分化 / 大脳皮質 / 神経分化 / 組織構築 / Pax6 / RNA-seq / マウス / 胎生期 |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳類の脳には、性差が存在する。脳の性分化には、出生前後に精巣から分泌されるテストステロンの影響によって雄化され、脳の性分化に応じて雌雄で異なる行動がみられる。しかし、胎仔期の雌雄の大脳皮質においては、遺伝子発現量の差異が存在するのか、性分化を誘導する分子機構が存在するのかについてはほとんど分かっていない。本研究では、胎仔期の雌雄の大脳皮質に着目し、遺伝子の発現量・発現領域の差異を探索する。これらの解析は、性ホルモン分泌以前の胎仔期の脳における遺伝子発現量の性差が、脳構築の遺伝的プログラムの性差となり、生後において雌雄の行動が規定されるという新規のメカニズムの発見に繋がる可能性がある。
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研究成果の概要 |
哺乳類の脳には、性差が存在することが知られている。脳の性分化は、出生前後における性ホルモンの影響が大きく、主に生後に進行すると考えられてきた。しかし、私たちは、マウス胎仔の終脳において、遺伝子発現や組織構築に雌雄差が現れることを見出した。従来、脳の性分化には性ホルモンが強く関与すると考えられてきたが、本研究の知見として、性ホルモンの依存度が小さい胎生期においても、遺伝的なプログラムとして性差が形成される可能性があることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳の性差は、出産前後以降の性ホルモンによって決定されると考えられてきた。しかし、本研究における解析から、胎生期の大脳皮質において既に遺伝子発現や組織構築に関して性差が現れる可能性を成果として見出した。自閉スペクトラム症を含む神経発達障害は、発症頻度や病態に性差が存在することが知られているが、本研究にて示唆された遺伝子発現プログラムの性差が病態の原因となる可能性が考えられる。本研究は、学術的に神経発達障害を脳の性差研究という新たな切り口から焦点を当てた研究である。
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