研究課題/領域番号 |
21K15102
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古澤 孝太郎 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任助教 (30898961)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 神経回路再編 / 感覚ニューロン / シナプス / 樹状突起 / 刈り込み / Ube3a / 神経突起 / プレシナプス |
研究開始時の研究の概要 |
脳神経回路の大枠は胎児期に形成されるが、この時期の脳神経回路は過剰量の神経突起を伸展させているため、その後の発達段階において「神経突起の選択的除去」を通じて余分な神経回路を淘汰する。しかし、この神経突起の選択的除去において、複数本の突起の中から除去される突起が「選択」される仕組みはほとんど理解されていない。申請者はこれまで、オルガネラの神経突起への輸送、及びそれに伴うシグナル伝達が、神経突起の除去に必要であることを明らかにした。そこで本研究では、神経回路再編期における、オルガネラ動態及びシグナル伝達の挙動を詳細に解析することで、神経突起の選択的除去メカニズムの解明へと繋げることを目的とする。
|
研究成果の概要 |
申請者は、ショウジョウバエ感覚ニューロンを実験モデルとして用いることにより、神経コンパートメント選択的除去メカニズムの解明に取り掛かかった。まず、遺伝子の機能欠失スクリーニングにより、シナプス刈り込み、および樹状突起刈り込みに必要な遺伝子を探索したところ、樹状突起刈り込みにはCullin1が必要である一方で、シナプス刈り込みにはUbe3aが必要であることを見つけた。さらに、Ube3aがシナプス刈り込みを誘導する分子メカニズムを探求したところ、Ube3aはキネシンモータータンパク質依存的にシナプス前部へと輸送され、BMP受容体の分解を介してシナプス刈り込みを誘導することを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、発達期における脳神経回路刈り込みの制御メカニズムは、軸索・樹状突起・シナプスなどの異なる神経コンパートメントごとに研究されており、単一ニューロン内の神経コンパートメントが選択的に刈り込まれる時空間制御メカニズムは全く理解されていなかった。この問題に取り組むためには、単一ニューロンにおいて、それぞれの神経コンパートメントの刈り込みを同時に観察できる実験モデルを用いる必要があり、簡便な実験モデルの不足が研究の障壁となっていた。本研究は、ショウジョウバエ感覚ニューロンを実験モデルとして用いることにより、世界に先駆けて神経コンパートメント選択的除去メカニズムの解明に取り組むものである。
|