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海流散布植物を基盤とする昆虫群集における生物間相互作用の維持・創出機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K15157
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分45030:多様性生物学および分類学関連
研究機関滋賀県立琵琶湖博物館

研究代表者

大槻 達郎  滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 主任学芸員 (60760189)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード生物間相互作用 / 生物多様性 / 系統地理 / 昆虫 / 海流散布植物
研究開始時の研究の概要

植物-植食昆虫-寄生蜂の生物間相互作用は世界中でみられ、これらの進化史を解明することは、生物多様性創出・維持機構の解明に不可欠である。
クロマメゾウムシは海流散布植物であるハマエンドウの種子に寄生するが、種子の発芽にも寄与する。また、寄生蜂がこの昆虫に寄生すると、種子の発芽率は上昇する。これらの昆虫は、植物の世代更新や群集の安定に寄与するが、攪乱環境の海浜で3者の関係がどう維持されているかは不明である。
本研究では、海流散布種子に寄生する昆虫群を系統地理解析することで、これらが種子と共分散しているかを検証する。

研究成果の概要

本研究では、クロマメゾウムシの系統地理解析によって、本種はハマエンドウの種子に乗って長距移動することが判明した。また、集団内の遺伝的多様性は極端に低く、現存集団には強いボトルネックがかかっていることが示唆された。本種は花蜜を主食とするが、ハマエンドウの花蜜を採餌した時のみ産卵することから、本種が世代更新・長距離分散するにはハマエンドウが不可欠であることも明らかとなった。
寄生蜂に関しては系統地理解析はできなかったが、この蜂を捕食するアザミウマの存在を確認した。本種はまだ同定できていないが、ハマエンドウの種子(豆夾)は様々な昆虫を分散する「船」になっている可能性が示唆された。

研究成果の学術的意義や社会的意義

植物-植食昆虫-寄生蜂の生物間相互作用は世界中でみられ、これらの進化史を解明することは、生物多様性創出・維持機構の解明に不可欠である。クロマメゾウムシはハマエンドウの種子に寄生するが、種子の発芽にも寄与する。また、寄生蜂がこの昆虫に寄生すると、種子の発芽率は上昇する。これらの昆虫は、植物の世代更新や群集の安定に寄与するが、攪乱環境の海浜で3者の関係がどう維持されているかは不明である。本研究では、海流散布種子に寄生する昆虫を系統地理解析することで、昆虫が種子と共分散することを明らかにした。海浜環境の劣化が懸念される今日において、本研究は海浜の生物群集の理解を深め、保全研究の基礎的知見となった。

報告書

(4件)
  • 2023 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (13件)

すべて 2024 2023 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 琵琶湖岸に生育する絶滅危惧種ハマエンドウの種子発芽について2023

    • 著者名/発表者名
      大槻 達郎
    • 雑誌名

      滋賀県植物研究会会報

      巻: 16 ページ: 29-30

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [雑誌論文] 琵琶湖岸砂浜の甲虫相2022

    • 著者名/発表者名
      八尋克郎, 武田滋, 大槻達郎
    • 雑誌名

      日本生物地理学会会報

      巻: 77 ページ: 3-17

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 現生植物の研究史2021

    • 著者名/発表者名
      大槻達郎
    • 雑誌名

      化石研究会会誌

      巻: 特別号 第5号 ページ: 20-24

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 琵琶湖岸の希少生物保護区周辺へ侵入する外来種の動態2024

    • 著者名/発表者名
      大槻達郎・西田謙二
    • 学会等名
      第23回日本植物分類学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] スナゴミムシダマシ属における性比の季節変動2024

    • 著者名/発表者名
      大槻達郎・武田滋
    • 学会等名
      第71回日本生態学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 琵琶湖岸における希少種の生息・生育地保護区で見られる植物の季節変化2023

    • 著者名/発表者名
      大槻達郎・武田滋・西田謙二
    • 学会等名
      第22回日本植物分類学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 琵琶湖岸の希少植物保護区周辺の草本群落間で見られる種組成の違いについて2023

    • 著者名/発表者名
      大槻達郎・西田謙二
    • 学会等名
      第70回日本生態学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 琵琶湖岸における希少種の生息・生育地保護区で見られる植物の季節変化2022

    • 著者名/発表者名
      大槻達郎・西田謙二
    • 学会等名
      第21回日本植物分類学会大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] Seasonal fluctuations of plant diversity in lakeshore conservation areas around Lake Biwa2022

    • 著者名/発表者名
      大槻達郎
    • 学会等名
      第69回日本生態学会大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 伊吹山の希少植物イブキカモジグサの塩基配列を基にした種の分類2021

    • 著者名/発表者名
      原田英美子・中世古雅人・堤花優太・吉岡桃子・野間直彦・永益英敏・石田未基・大槻達郎
    • 学会等名
      日本植物学会第85回大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 滋賀県のミナミメダカにおける遺伝的集団構造とその撹乱2021

    • 著者名/発表者名
      田畑 諒一・鵜飼 菜香・金尾滋史・大槻達郎
    • 学会等名
      2021年度日本魚類学会年会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 琵琶湖の生物はいつ、どこからきたのか?2022

    • 著者名/発表者名
      西野 麻知子
    • 総ページ数
      360
    • 出版者
      サンライズ出版
    • ISBN
      9784883257799
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 琵琶湖岸の砂浜に45科341種の甲虫が生息することが新たに分かりました

    • URL

      https://www.biwahaku.jp/2023/02/45341.html

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2025-01-30  

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