研究課題/領域番号 |
21K15183
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
坂本 寛和 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (10837397)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | シナプス / プレシナプス / シナプス可塑性 / 記憶 / 学習 / 海馬 / 超解像顕微鏡 / 超解像イメージング / 空間記憶 / 記憶符号化 |
研究開始時の研究の概要 |
海馬は空間記憶の形成に重要な働きを持つ脳部位であり、記憶は海馬内の特定の神経細胞集団の活性変化として符号化される。記憶符号化の過程にはシナプス可塑性が重要な役割を果たすと考えられているが、記憶符号化に関わるシナプス前性の分子メカニズムはよく分かっていない。本研究では、モリス水迷路課題を課して空間学習させたラットの脳標本を用いて、シナプス前部の可塑性に関与する分子群の免疫組織化学染色・超解像顕微鏡計測を行う。空間学習によって生じるシナプス前性の分子変化を明らかにすることで、記憶符号化を担うシナプス前性メカニズムの解明を行う。
|
研究成果の概要 |
海馬は記憶の形成に重要な働きを持つ脳部位である。記憶はある特定の神経細胞集団から成る神経回路の活性変化として符号化される。その符号化の過程においてシナプス伝達効率の変化(シナプス可塑性)が重要な役割を果たすと考えられているが、その分子メカニズムはよく分かっていなかった。本研究では、学習時に活性化した海馬のシナプスで生じたプレシナプス分子(Munc13-1, RIM1, 電位依存性カルシウムチャンネルなど)の量およびナノレベルの局在変化を系統的に定量するための超解像顕微鏡解析技術を構築し、記憶符号化に関わるプレシナプスの分子メカニズムを解明した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、記憶の形成に関わる海馬のシナプスに注目し、記憶形成時に生じるシナプス内の分子(タンパク質)の変化に焦点を当てて研究を行った。シナプスはマイクロメートル以下の非常に微小な構造であり、また脳組織中に高密度に存在しているため、その中のタンパク質に注目して解析を行うことは容易ではない。最先端の超解像顕微鏡技術と独自のシナプス標識技術を組み合わせることで、記憶形成時に活性化したシナプスを膨大な数のシナプスの中から抽出し、そこに集積するタンパク質群の量や局在を精密に定量する技術を構築することに成功した。今回の成果は、記憶の形成という脳の高度な機能を分子の観点から理解する上で大きな意義を持つ。
|