研究課題/領域番号 |
21K15190
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
森原 隆太 岡山大学, 大学病院, 講師 (40895257)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | fused in sarcoma / 液-液相分離 / 前頭側頭型認知症 / 筋萎縮性側索硬化症 / アルギニンメチル化 / 質量分析法 / fused in sarcoma (FUS) / 相転移 / 相分離 |
研究開始時の研究の概要 |
RNA結合タンパク質の一種であるfused in sarcoma (FUS)は、可逆的に凝集度を変化させて「分散状態」「滴状」「ゲル状」に形態を変える相転移現象を示す。このFUS相転移を制御する要因の1つとしてFUSのアルギニンメチル化に注目が集まっているが、FUS相転移とアルギニンメチル化の関係については分かっていないことも多い。本研究ではFUSのアルギニン残基のメチル化状態を明らかにすることで、FUS相転移にアルギニンメチル化がどのようにかかわっているのかを解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
FUSは生理的な相分離が破綻すると異常凝集して封入体を形成する。本研究ではFUS相分離を制御する要因の1つとしてFUSのアルギニンメチル化に着目した。FUS変異のある家族性ALS(ALS-FUS)、FUS蓄積を伴うFTLD(FTLD-FUS)、孤発性ALS、正常対照の計4群の脳検体を用いて質量分析法を行って疾患ごとのメチル化状態のマッピングを行ったところ、正常対照に比べてFTLD-FUSでは全体的にアルギニン残基が脱メチル化する傾向にあり、さらに特定のアルギニン残基では有意に脱メチル化していた。これら特定のアルギニン残基の脱メチル化がFUSの相分離亢進を引き起こしている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
RNA結合蛋白の一種であるFUSは、相分離という現象によって可逆的に「分散状」「滴状」「ゲル状」に形態を変化させるが、相分離が破綻すると異常凝集して神経障害を引き起こす。本研究はこの異常凝集の原因として、FUSの特定のアルギニン残基の脱メチル化が関係することを明らかにした。FUS凝集が原因となる筋萎縮性側索硬化症及び前頭側頭型認知症の病因解明と治療法開発に向けての端緒になる可能性がある。
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