研究課題/領域番号 |
21K15221
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
大石 雄基 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 助教 (00778467)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 糖認識 / 人工DNA / オリゴマー / ホスト-ゲスト / 糖鎖 / 固相合成 |
研究開始時の研究の概要 |
糖鎖はがんの転移やウイルスの感染などに関わっており,創薬ターゲットとして注目されている。しかし,糖鎖と強力かつ選択的に会合する人工分子を開発することは難しく,糖鎖を標的とした医薬品の開発は進んでいない。本研究では,糖認識部位を有するモノマーをホスホジエステル結合で連結した糖認識オリゴマーにより,この難題の解決を目指す。本オリゴマーには複数の糖認識部位が配列しているため,多点で糖鎖と相互作用することで強力な会合を実現できる。また,モノマー配列を変更することで,任意の糖鎖と選択的に会合できるオリゴマーを設計できる。
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研究成果の概要 |
糖鎖を標的とした医薬品の創出を目指し,糖認識部位を有するモノマーを DNA と同じホスホジエステル結合で連結したオリゴマーの開発を検討した。本オリゴマーは糖鎖と多点で相互作用することで水中での強力な会合が実現できると期待された。 Meggers らが報告した人工核酸 GNA の構造を利用し,糖認識部位にベンゼン環を導入したホモオリゴマーの合成を検討した。数種のモノマーのアミダイト体を合成し,ホスホロアミダイト法によるオリゴマーの固層合成を検討した。5~10量体のホモオリゴマーを合成し,各種糖鎖との会合を等温滴定型カロリメトリーで評価したところ,グリコーゲンに対する親和性が確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖鎖は新たな創薬ターゲットとして注目されているが,その研究は未開拓である。糖鎖は水和されやすいだけでなく,高次構造が柔軟であるため,糖鎖と強力に会合する人工分子を1から設計することは難しい。また,糖鎖の化学構造は類似性が高いため,会合の選択性を制御することも困難である。本研究で創製した糖認識オリゴマーの設計は,糖鎖を標的とする医薬品を創製するための基盤になり得るものであり,ペプチド医薬と核酸医薬に次ぐ中分子創薬の開拓につながると期待される。また,本オリゴマーは糖鎖を検出するバイオプローブとしての応用も可能であり,特定の糖鎖を有する細胞やウイルスを検出する分析技術の開拓に対しても貢献できる。
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