研究課題/領域番号 |
21K15235
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 昭和薬科大学 |
研究代表者 |
石田 寛明 昭和薬科大学, 薬学部, 講師 (70755975)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ビタミンD受容体 / 核内受容体 / アンタゴニスト / 共有結合モディファイア / 創薬化学 |
研究開始時の研究の概要 |
活性型ビタミンDは様々な生理作用を有しており、医薬品創製を指向した研究が広く行われている。しかし、ビタミンD誘導体は高活性な化合物が数多く報告されている一方で、重篤な副作用として高カルシウム血症を併発することが問題となる。 本研究ではカルシウム作用を分離したビタミンD誘導体の開発を目的とする。また誘導体に共有結合モディファイアを導入して、作用の持続性向上を狙う。さらに受容体タンパク質と誘導体のX線共結晶構造解析を駆使して、高カルシウム血症の低減など作用分離したビタミンD医薬品開発への貢献を目指す。
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研究実績の概要 |
ビタミンD誘導体は医薬品として活用されている化合物以外にも数多くの高活性な誘導体が報告されている。しかし重篤な副作用として高カルシウム血症を併発することが問題である。そこで昨年度に引き続き、本研究ではビタミンD受容体の新規アンタゴニストを創製して、カルシウム作用の分離を目指した誘導体の開発を目指した。さらに、化合物の構造内に共有結合可能な官能基(共有結合モディファイア)を導入する計画である。これにより生理作用の増強、作用持続性の向上を目指している。 1.新規ビタミンD誘導体の合成:共有結合型の新規アンタゴニストの合成を目指し、共有結合モディファイアの予備検討を、モデル基質を用いて昨年度に引き続き実施した。その結果、ビタミンD受容体のリガンド結合ポケット内に存在する標的アミノ酸であるヒスチジン残基と共有結合を形成する嵩高い構造を有する共有結合モディファイアを複数見出した。現在、ビタミンD母骨格を有する誘導体の合成を進めている。 2.ビタミンD受容体と合成した化合物の結合様式の解明:これまでに合成できたヘテロ小員環型の共有結合型ビタミンD誘導体とビタミンD受容体リガンド結合領域のタンパク質を用いて、共結晶化を実施した。結晶化条件の再検討を行った結果、良質な結晶を新たに得ることができたため、高エネルギー加速器研究機構のビームラインを用いて、X線結晶構造解析を行った。現在までに質量分析実験では共有結合形成が確認できたものの、残念ながら標的タンパク質と共有結合を形成した状態の結晶構造は得られておらず、今後結晶化条件を再検討する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新規ビタミンD誘導体の合成段階で予期しない副反応が起こり、それを回避した合成ルートを検討・確立するために時間を要したため、当初の予定よりも合成が遅れている。また化合物の合成段階が非常に長いことも研究に時間を要している原因である。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度には、まず初めに合成が遅れている共有結合型ビタミンD誘導体の合成を完了させるべく、合成に注力する。続いてこれまでに合成が完了した共有結合型ビタミンD誘導体について、ビタミンD受容体と共有結合した共結晶構造が現状では得られていないので、結晶化条件の再検討を化合物の合成と並行して行う予定である。
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