研究課題/領域番号 |
21K15252
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
瀬川 良佑 東北大学, 薬学研究科, 助教 (20725296)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 低酸素 / HIF / TSLP / アトピー性皮膚炎 / ケラチノサイト / JNK / PHD 阻害薬 / 表皮ケラチノサイト / エピジェネティック制御 / DUSP / アレルギー |
研究開始時の研究の概要 |
アトピー性皮膚炎の発症には皮膚を構成する表皮細胞から産生される Thymic stromal lymphopoietin (TSLP) の免疫活性化作用が寄与しており、 TSLP 産生制御機構の解明は新たなアトピー性皮膚炎治療法・予防法の確立につながる。申請者は正常皮膚が常に低酸素環境にあることに着目し、低酸素環境で活性化する Hypoxia inducible factor (HIF) が TSLP 発現を抑制することを見出した。本研究では、 HIF による TSLP 産生抑制の詳細な分子メカニズムを明らかとする。
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研究成果の概要 |
本研究では、PHD 阻害薬がアレルギー増悪化因子である TSLP の発現を抑制するメカニズムを解明することを目的とした。 PHD 阻害薬は、ヒト表皮角化細胞株において HIF および HDAC を介して DUSP タンパク質の発現を誘導することを見出した。 さらに、この DUSP 発現の誘導は、TSLP 発現に寄与する JNK/AP-1 シグナル伝達を抑制することも明らかとした。 加えて、PHD阻害薬がマウスアレルギー感作モデルにおいてTSLP産生を阻害することも見出した。これらの知見から、PHD阻害薬の抗アレルギー効果とその詳細な作用機序を明らかにできた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は皮膚の表皮の恒常性維持に重要な HIF の活性化がアレルギー性免疫応答の誘導因子である TSLP 発現を抑制する機序を解明した。これは皮膚の持つ免疫制御機構の理解につながる。また、HIF の活性化を誘導する PHD 阻害薬がアレルゲン感作を抑制する作用を持つことを明らかにしており、PHD 阻害薬のアレルギー治療への応用性を示唆できた。これにより、既に腎性貧血に対して臨床応用されている PHD 阻害薬の新たな治療応用への展開が期待できる。
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