研究課題/領域番号 |
21K15268
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
谷口 将之 神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (90831751)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | ストレス / ミクログリア / エピゲノム / 内側前頭前皮質 / 前頭前皮質 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性ストレスは抑うつや不安など情動変容を引き起こし、精神疾患のリスク因子となる。マウス社会挫折ストレスは情動変容に伴う内側前頭前皮質の神経細胞樹状突起の萎縮を誘導すること、この変化にはミクログリアの活性化が関わることを示した。したがって、ストレスによる情動変容はミクログリアの活性化に端を発した組織恒常性の破綻によると推測されるが、その実態は殆ど明らかでない。本研究では、ミクログリアの活性化の分子実体を明らかにし、ストレスにおける組織恒常性の維持とその破綻の分子基盤を解明する。本研究を通じて、うつ病などストレス性疾患の新たな創薬標的創出に資する知見を得る。
|
研究成果の概要 |
社会環境から受けるストレスは、抑うつなど認知情動変容を誘導し、精神疾患のリスク因子となる。これまでの研究から慢性ストレスではミクログリアの活性化に端を発した脳内炎症が生じることが示されているが、その実態には不明な点が多い。本研究では、多様な脳領域のミクログリアを解析するための手法を確立した。さらに、エピゲノム解析及び遺伝子発現解析を駆使して、ミクログリア活性化に関わる複数の情報伝達経路とその遺伝子発現応答を同定し、それらが反復社会挫折ストレスによる情動変容に関与することを見出した。以上の成果は、ミクログリアがストレスによる複数の情報伝達経路を統合し、情動変容を促す可能性を示唆する。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミクログリア活性化は情動変容に関わる脳内炎症に重要である。本研究の成果は、ミクログリアはストレスによる複数の情報伝達経路を統合し、情動変容に関わることを示した。これらの成果はストレスによる脳機能変化の難可逆性の生物学的基盤に迫る点で学術的意義は大きい。また、治療抵抗性の精神疾患において新規治療標的の探索が不可欠であり、本研究成果はストレス関連疾患の病態の解明のみならず精神疾患創薬のための新たな標的を提示する点で社会的意義も大きい。
|