研究課題/領域番号 |
21K15287
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
高山 健人 福山大学, 薬学部, 講師 (60568559)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 大黄甘草湯 / レスポンダー・ノンレスポンダー / 腸内細菌叢 / 免疫グロブリンA / 短鎖脂肪酸 / 食習慣 / 免疫グロブリンA(IgA) / Enterobacteriaceae科細菌 / 腸管免疫応答 / 漢方薬 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はこれまでの研究で、緩下薬として便秘症治療に頻用される漢方薬「大黄甘草湯」の下剤効果が、食事による腸内細菌叢の違いによって決定づけられることを明らかにし、漢方薬の効果が現れる人(レスポンダー)と現れない人(ノンレスポンダー)の差は腸内細菌叢にあることを示唆しました。 本研究では、この差をより詳細に検討するため、腸内細菌叢との関わりが深い腸管免疫に着目し研究を進めることで、漢方薬の効果と腸内細菌叢の関係性の科学的解明に繋げていきたいと考えています。
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研究成果の概要 |
これまでに、腸内細菌叢の違いが便秘症の治療に汎用される大黄甘草湯のレスポンダー・ノンレスポンダーを決定づけることを明らかにしてきた。特に便秘症患者の腸内細菌叢と類似している高炭水化物飼料摂取下の腸内細菌叢の状態において大黄のアントラキノン成分により大黄甘草湯の下剤効果は維持され続けた一方で、高繊維飼料摂取下において大黄のタンニン類により下剤効果は反対に抑制され続けた。このメカニズムとして、腸内細菌叢の制御に関わる免疫グロブリンA(IgA)や短鎖脂肪酸などの変化が起因していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
薬の効果には個人差のあることが一般的に知られているが、腸内細菌叢の違いが薬の効果にどのような影響を及ぼすのか探求する研究はほとんど行われていない。本研究では、腸内細菌との関わりが深い漢方薬について、緩下薬として頻用される大黄甘草湯の下剤効果と食習慣による腸内細菌叢の違いとの関連性について、腸管免疫応答とそれらを制御する短鎖脂肪酸の解析から一端を明らかにすることができた。また、本研究から漢方薬・腸内細菌叢・腸管免疫応答の3因子による複雑な関連性を紐解くことで、先人達の経験則に基づいた「証」の科学的解明に近づけると確信している。
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