研究課題/領域番号 |
21K15293
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮田 大資 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90844415)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 薬物相互作用 / ABCG2 / 抗がん剤 / 腫瘍崩壊症候群 / フェブキソスタット / ABCG2/BCRP / トランスポーター / 骨髄抑制 |
研究開始時の研究の概要 |
ABCG2は薬物の体内動態や毒性の制御を担うトランスポーターである。研究代表者は、これまでに、高尿酸血症治療薬であるフェブキソスタット(FEB)が臨床上到達し得る濃度域においてABCG2を阻害することを明らかにした。本研究では、FEBによるABCG2阻害の臨床的重要性を有害事象発現の観点から明らかにすることを目的とする。そのために、造血幹細胞上のABCG2に着目し、ABCG2基質となる抗悪性腫瘍薬による骨髄抑制に対してFEBの併用が与える影響を臨床・基礎の両面から明らかにする。
|
研究成果の概要 |
ABCG2は薬物の体内動態や毒性の制御を担うトランスポーターである。本研究は、研究代表者がこれまでに見出した尿酸降下薬フェブキソスタット(FEB)によるABCG2阻害の臨床的重要性を有害事象発現の観点から明らかにすることを目的とした。 東京大学医学部附属病院においてシクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン併用療法(CHOP療法)を施行した患者を対象に、FEB併用の有無で骨髄抑制の頻度や強度を比較した結果、有意な差は認められなかった。しかしながら、興味深いことに、尿酸代謝酵素であるラスブリカーゼの併用で骨髄抑制が増強する様子が認められた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果、FEBはCHOP療法施行患者であっても有害事象の頻度や強度を有意に増強することなく併用可能であることが示唆された。その他のABCG2基質薬物を含む治療に対するFEBの影響は今後の検討課題である。一方で、FEBと同様に腫瘍崩壊症候群に対して用いられるラスブリカーゼがCHOP療法による骨髄抑制を増強する可能性が示唆された。骨髄抑制は抗がん剤治療の継続や治療強度、ひいては治療の成否に影響を与える重要な要素であり、そのリスクの解明につながる重要な知見である。
|