研究課題/領域番号 |
21K15324
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
山下 修吾 同志社女子大学, 薬学部, 助教 (30845730)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 腫瘍組織内動態 / 体内動態制御 / 高分子ミセル / コンパートメントモデル / PK/PD / 薬学 / 薬物動態学 |
研究開始時の研究の概要 |
がん薬物治療では、がん組織への抗がん剤の不均質な作用が問題であり、この問題を克服するドラッグデリバリーシステム(DDS)やその評価・解析方法の開発が切望される。過去に報告されたがんDDSでは、DDSキャリアに搭載した抗がん剤の体内動態と治療効果の相関性が乏しく、がんDDSを利用した抗がん剤の腫瘍取り込みに関する詳細な動態情報の欠如が原因であると考えられる。本研究は、輸送戦略および薬物放出戦略の異なるDDS製剤中の抗がん剤の腫瘍移行性と抗がん作用を評価し、それらの情報を組み込んだ薬物動態学/薬力学解析によりDDSの機能対効果が評価可能な分析法を確立することで、がん薬物治療への貢献を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究はDDS によるがん治療の実現に不可欠な低分子抗がん剤の腫瘍移行性に関する正確な情報を明らかにすることを目的に、より生体に近い環境で高分子ミセルからの薬物放出性および腫瘍滞留性を評価可能な分析手法を確立した。加えて、担癌ラットと腫瘍マイクロダイアリシス法を組み合わせた体内動態分析手法を活用することで、高分子ミセルに担持された抗がん剤に焦点を当てた薬物動態解析が実施でき、DDS技術の機能対効果を評価可能とするPK/PDモデルの確立に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々が考案した分析手法を活用することで、これまで解析が困難であった薬物キャリアに担持された低分子抗がん剤の腫瘍移行性に関する正確な速度論的情報の取得が期待できる。こうした薬物キャリアではなく担持された低分子に焦点を当てた速度論的情報は、DDS機能を客観的に評価するパラメータとして活用でき、DDS開発を加速させる方法論になり得る。以上のように、高精度なPK/PDモデルの構築を目指す本研究はDDS技術の機能対効果を多角的に評価可能にし、DDSの臨床応用へ向けた橋渡し研究への活用が期待できる。
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