研究課題/領域番号 |
21K15327
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
月川 健士 崇城大学, 薬学部, 講師 (60772027)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 一酸化窒素 / アルブミン / 高分子化抗がん剤 / EPR効果 / 抗がん効果 |
研究開始時の研究の概要 |
リポソーム製剤などの高分子化抗がん剤のがん組織集積性は、がん組織の血流量に左右される。一酸化窒素(NO)は、がん組織の血流を改善し、高分子化抗がん剤のがん組織集積性を増強できるが、生体内寿命が極めて短いため、効果は一時的である。そこで、申請者グループ開発のユニークなNO徐放剤(NPB)と、がん指向性に優れるヒト血清アルブミン(HSA)を活用して、「がん指向性NO徐放剤(HSA-NPB)」を作製し、がん組織にNOを選択的かつ持続的に作用させることを目指す。本研究では、このHSA-NPBが、がん組織の血流を改善し、高分子化抗がん剤のがん組織集積性や抗がん効果を増強できるか検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、申請者グループ開発の一酸化窒素(NO)徐放剤(NPB)と、がん指向性に優れるヒト血清アルブミン(HSA)を結合させた、がん指向性NO徐放剤(HSA-NPB)の開発に取り組んできた。がん組織にNOを特異的かつ持続的に作用させ、がん組織の血流の持続的な増大による薬物集積性と治療効果の増強を企図した薬剤である。まずHSA-NPBを作製し、NO徐放性を確認した。担がんマウスに、高分子化抗がん剤と同時投与すると、単独時より高い治療効果が得られた。本研究の成果は、高分子化抗がん剤と併用するだけで、そのがん組織集積性や治療効果を増強する、新規がん治療戦略の開発につながると期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、NPBのNO徐放性とHSAのがん指向性を活用し、腫瘍組織の血流の持続的な増大と、それによる腫瘍集積性と治療効果の増強を企図した薬剤 HSA-NPBを開発した。高分子化抗がん剤の腫瘍集積性が低い場合、治療効果の減弱や副作用とともに、抗がん剤多量使用による医療費増大の要因となるため、腫瘍集積性の増強を志向した研究は極めて大きな意義がある。実際に高分子化抗がん剤と併用することで、単独時より高い治療効果が得られた。HSA-NPBは、種々の高分子化抗がん剤と併用できるため、がん治療戦略が広がることが期待される。
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