研究課題/領域番号 |
21K15329
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
室生 暁 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (30844360)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 直腸 / 肛門管 / 平滑筋 / 解剖学 / 骨盤底 / 解剖 / 骨盤底筋 / 骨格筋 |
研究開始時の研究の概要 |
直腸癌に対する最新の手術法の発展に伴い、直腸周囲の詳細な解剖学的知見が求められている。特に直腸の前方領域は直腸手術の難所の一つであり、この領域の解剖学的知見が手術の精度向上に役立つことが期待される。直腸前方は主に平滑筋組織に占められていることがわかってきたが、平滑筋組織の三次元的な広がりや詳細な組織学的性状は解明されていない。私たちはこれまでの研究成果から、消化管と骨盤底筋が空間的に近接する直腸肛門管領域では平滑筋が骨格筋との位置関係や機能に応じて多様な構造を持つのではないかと考えた。本研究の目的は、直腸前方に広がる平滑筋の構造を解剖学的手法によって解明することである。
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研究実績の概要 |
本研究では、直腸前方領域の平滑筋線維の多様な集合様式に着眼し、平滑筋構造を肉眼解剖および免疫組織学的に解析した。現在得られているデータから、以下のことが明らかになってきた。 1.直腸前方において、平滑筋が直腸壁を構成するだけにとどまらず前方領域へと延び出している 2.直腸の縦走筋、輪走筋の平滑筋線維がそれぞれ異なる高さで前方に延び出している 3.直腸前方の平滑筋組織は、下部の方が細胞密度が高く、上部の方が細胞密度が低い 4.直腸前方の平滑筋組織は、正中部が最も細胞密度が高く、傍正中部(直腸前外側部)は比較的細胞密度が低い このように管腔臓器の壁を構成する平滑筋が周囲へと延び出す構造は、骨盤内臓器にのみ見られる特殊な構造である。このような骨盤底領域に特徴的な平滑筋組織について、構造の基本パターンや詳細な組織学的性状がいまだ解明されておらず、課題として残されている。直腸前方の平滑筋の構造が明らかになれば、骨盤底領域における平滑筋組織の機能的意義の解明につながる。現在得られているデータの解析をさらに進め、縦走筋、輪走筋の平滑筋線維の広がりと線維配向性を定量化・可視化することで、排便メカニズムを解明するための基盤的知見となると考えている。さらに、直腸前方領域の平滑筋線維の細胞密度の解析は、下部直腸癌手術における合理的な剥離層の決定に有用となる。直腸肛門管領域の解剖学的基盤を確立することで、内視鏡下手術やロボット手術を高精度で施行することが可能になると考えられる。引き続き臨床応用を視野に入れた解剖学的基盤の構築を目指し、研究を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
免疫組織学的解析を含む、直腸前方領域の網羅的な組織学的データを取得することに成功した。 さらに、『広範連続組織切片に基づく三次元再構築法』(Muro and Akita, 2023, ASI)という手法を応用し、平滑筋線維の広がりと空間配置を三次元的に可視化することに成功した。 定量化の具体的な手法の確立が今後の課題となる。
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今後の研究の推進方策 |
網羅的な免疫染色像を画像処理ソフトウェア(Image J)で解析し、各部位における平滑筋線維の密度を定量化する。 線維配向性を解析するソフトウェア(Fiber orientation analysis)を用い、平滑筋線維の配向性を定量化する。
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