研究課題/領域番号 |
21K15337
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
福本 萌 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 非常勤研究員 (70843390)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 器官形成 / ライブイメージング / ゼブラフィッシュ / 循環器 / カドヘリン / 発生生物学 / 接着分子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は「大血管内皮細胞が心臓(心内膜内皮細胞)につながるメカニズムを解明すること」である。全身に張り巡らされた血管が如何にしてポンプとして機能する心臓に接続するかは不明である。申請者はゼブラフィッシュの胚の観察から心内膜内皮細胞(endothelial cell: EC)が大血管ECと接着することで心臓-血管の連結が完了することを見出した。接着に先駆けて心内膜ECは心室側では動脈様、心房側では静脈様に著しく形態を変化させながら心臓外へと遊走し、それぞれ大動脈血管ECおよび大静脈血管ECと選択的に接着していた。そこで、本研究では心内膜ECが形態変化し遊走能を獲得する分子機構を解明する。
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研究成果の概要 |
循環器系の構築は生命の維持に不可欠であるが、ポンプとして機能する心臓にいかにして血管が接続するのかはわかっていない。我々はライブイメージング可能なゼブラフィッシュを用いることにより、心臓の流入路側にシート状の心内膜内皮細胞集団が存在し、同じくシート状の静脈EC集団と接着することで心臓と血管が連結することを見出した。また内皮シート同士はジッパーを閉じるようなジッパリングにより接着することが明らかとなった。トランスクリプトーム解析から、内皮シート特異的にCadherin-6が発現していること、Cadherin-6欠損体では内皮シートのジッパリングが阻害されることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本成果は、拍動する心臓にいかにして血管内皮細胞が接着するのか分子レベルで理解した初めての研究であり、先天性心疾患の発症機序の理解に繋がりうる研究であると言える。また胚発生の過程では心臓のみならず、多くの組織や細胞がダイナミックに動きながら形態形成を行うことは知られているが、それらの分子機構は不明な点が多かった。本研究ではノックイン系統を樹立し内在性のタンパク質に直接タグをつけるといった新規研究手法を取り入れ、発生過程において組織や細胞だけではなく分子の挙動を捉えることに成功しており、当該分野の発展に一定の貢献をしていると考えられる。
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