研究課題/領域番号 |
21K15358
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
村上 昌平 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (20746911)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 硫黄代謝物 / 造血幹細胞 / 細胞分化・増殖 / ポリスルフィド / ミトコンドリア / 膜電位 / 低酸素 |
研究開始時の研究の概要 |
造血幹細胞では、ミトコンドリア膜電位に寄与する分子機序およびその生理学的機能について多くの疑問が残されている。本研究は新規硫黄代謝物ポリスルフィドがミトコンドリアに局在するCARS2によって産生されることに着目し、CARS2によって産生されるポリスルフィドが低酸素状態にある造血幹細胞において、どのようにミトコンドリア機能に影響を与えるかを検討する。これにより、造血幹細胞におけるポリスルフィド産生の重要性、そして、造血幹細胞とミトコンドリアの関連性について明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、ミトコンドリア内においてシステインパースルフィド(CysSSH)を産生できなくなるCARS2変異(Cars2 IKO)マウスを用いて、造血細胞におけるCysSSHに起因するミトコンドリア内ポリスルフィドの役割について解析した。Cars2 IKOマウスの造血細胞はミトコンドリア機能異常を示し、赤血球細胞へ分化障害、造血幹細胞の機能不全を伴う貧血を呈することがわかった。以上から、CARS2によるミトコンドリア内CysSSH産生制御は赤血球細胞への分化および造血幹細胞の幹細胞性維持に不可欠であるといえる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、CARS2によって産生されるミトコンドリア内システインパースルフィド(CysSSH)は、正常造血におけるミトコンドリアの機能維持に寄与しており、赤血球細胞への分化および造血幹細胞の幹細胞性維持に不可欠であることが明らかになった。この結果はこれまで謎とされてきた、低酸素環境に維持された造血幹細胞内ミトコンドリア機能の一部を明らかにしたものと考えられる。また、本研究成果はポリスルフィドに着目した造血疾患の新規治療法の開発につながると考えられ、特に、造血幹細胞機能の維持にポリスルフィドが重要であることから、白血病などの第一選択療法となる骨髄移植法の改良にも貢献できると考えられる。
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