研究課題/領域番号 |
21K15384
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター) |
研究代表者 |
廣瀬 由美子 (堀由美子) 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (60528785)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 脈管異常 / リンパ管奇形 / 静脈奇形 / PIK3CA / mTOR / シロリムス / mTOR / 脈管奇形 |
研究開始時の研究の概要 |
リンパ管奇形は、機能面および整容面において患者のQOL(生活の質)を著しく低下させ、しばしば難治性である。近年、新たな治療方法としてmTOR 阻害薬であるシロリムスが著効することが報告され、日本での薬事承認を得る手続きが進んでいる。リンパ管奇形は病理診断により確定されるが、他の血管系の病気との鑑別がしばしば困難である。正しく承認薬を使用するためには、血管系の病気の正確な診断が必要となる。 本研究では、ヒトのリンパ管奇形病理検体と、マウスのリンパ管奇形モデルを用いて、リンパ管奇形の病理診断基準を確立することを目的とする。
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研究実績の概要 |
脈管異常は、脈管奇形と脈管系腫瘍を含む疾患概念である。脈管異常の多くは良性であるものの、機能面および整容面において患者のQOLを著しく低下させ、しばしば難治性である。近年、リンパ管奇形の病態形成には、PIK3CA (phosphatidylinositol-4,5-bisphosphate 3-kinase catalytic subunit alpha)遺伝子の変異に起因するPI3K (phosphatidylinositol-3 kinase)/AKT/mTOR (mammalian target of rapamycin)経路の活性化が関与していることが明らかとなった。この経路を標的としたmTOR阻害剤であるシロリムスが難治性リンパ管異常に対して高い効果を示すことが報告され、本邦では世界に先駆けて、薬事承認を目指した第Ⅲ相試験が2019年に終了している(2021年に薬事承認されている)。リンパ管奇形は病理診断により確定されるが、他の脈管異常との鑑別がしばしば困難である。適切に承認薬を使用するためには、脈管異常の正確な分類方法を確立することが急務である。本研究では、ヒトFFPE(ホルマリン固定パラフィン包埋)病理検体を用いて、リンパ管奇形の病理診断基準を確立することを目的とする。 本年度は、リンパ管奇形のFFPE病理検体よりDNAを抽出し、PIK3CA遺伝子の全エキソンを対象としたカスタムパネルを用いた次世代シークエンス解析により、PIK3CA遺伝子変異の有無と変異部位を検討した。結果、リンパ管奇形24症例のうち、52%でPIK3CA遺伝子変異が同定され、変異部位はp.E542K、p.E545K、p.H1047Rのhot-spot変異が多く検出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、リンパ管奇形症例に対してカスタムパネルを用いた次世代シークエンス解析により、各症例のPIK3CA遺伝子変異を明らかとした。また、現在脈管異常の病理診断に広く使用されている抗体を含めた様々な抗体持ちいた免疫組織化学的染色を行っており、リンパ管奇形の診断に有用な病理診断マーカーを検討している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに、リンパ管奇形(24症例)と静脈奇形(28症例)のFFPE病理検体を用いて、現在病理診断に広く使用されている脈管マーカー(CD31)、リンパ管マーカー(D2-40、Prox1)と血管マーカー(CD34)の抗体を用いた免疫組織化学的染色を行い、血管内皮細胞での発現強度を比較検討してきた。今後、症例数と検討する免疫組織化学染色抗体を増やし、病理組織所見・免疫組織化学的染色結果・遺伝子変異の比較検討から、病理診断マーカーを含めた病理診断方法の確立を目指す。
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