研究課題/領域番号 |
21K15394
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 広島大学 (2022) 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部) (2021) |
研究代表者 |
石川 洸 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (70876143)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | バイオマーカー / 分子病理 / 人体病理 / ANXA10 / 胃癌 / 消化器癌 / 人体病理学 / 病理学 / 分子病理診断 / 新規診断・治療標的の同定 / 腫瘍分子形態学 |
研究開始時の研究の概要 |
胃癌は免疫組織化学的所見に基づいて胃型胃癌、腸型胃癌に分類され、多くの遺伝子異常が関与しているが、胃型胃癌と腸型胃癌で有する遺伝子異常は大きく異なることが知られている。Annexin A10(ANXA10)は胃型胃癌の進展に関わるが、そのANXA10による癌進展に対する影響の網羅的解析はなされていない。本研究では、胃癌細胞株のANXA10-knockout細胞株を作成し、ANXA10が胃癌に与える分子学的影響を検討する。そこから特異的な発現変化を有する分子を抽出し、胃癌の組織切片を検討することで、胃癌進展に関与する診断・治療標的となる遺伝子異常を明らかにする。
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研究成果の概要 |
我々は胃癌におけるAnnexin A10 (ANXA10)に関連した新規治療標的探索を行なった。胃癌細胞株の一つであるMKN-74に対し、CRISPR-Cas9システムを用いたゲノム編集を行い、ANXA10のノックアウトを行った。ノックアウトによるANXA10タンパク発現低下をウエスタンブロットにより確認したのちに、RNAを抽出してマイクロアレイ解析を行った。マイクロアレイ解析ではノックアウトによりMAPKに関連した分子などが変動しており、CLDN1, KRT80, RBCK1, SLC7A5といった下流分子が同定され、それらの分子は公共データベース解析において胃癌の予後不良因子であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は胃癌におけるAnnexin A10 (ANXA10)発現により、その下流においてCLDN1, KRT80, RBCK1, SLC7A5などの分子と関連していることを明らかにした。さらにそれら4つのタンパクは公共データベースにおいて胃癌の予後不良因子であることも明らかにした。胃癌は依然として不均一性の高い癌腫であり、その病態は非常に複雑である。そして胃癌が発生して進行するとその不均一性から化学療法耐性化が起こりやすい。その中で、これらの成果は胃癌の病態の一端を明らかにするとともに、新たな治療標的薬を創生する基盤となる知見である。
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