研究課題/領域番号 |
21K15423
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
澤野 俊憲 立命館大学, 生命科学部, 助教 (60805597)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 脳梗塞 / ミクログリア / 血管 / 虚血誘導性幹細胞 / VEGF / 再生 / 中枢神経系排出機構 / 再生医療 |
研究開始時の研究の概要 |
脳梗塞を生じると数週間以内に形成された壊死組織は頭蓋骨外へと排出されるが、その詳細なメカニズムは不明である。申請者はこれまでに、脳梗塞巣内に虚血誘導性幹細胞(ischemia-induced multipotent stem cells: iSCs)が出現し、それらが血管形成能に富んだ虚血誘導性幹細胞由来ミクログリア(iSCs derived microglia: iSMG)に分化することを明らかにしている。さらに脳梗塞巣内では血管が活性化している所見を得ていることから、これらが関与して血行性に脳梗塞巣成分が排出されていると予想している。本研究ではその可能性について検証する。
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研究成果の概要 |
脳梗塞によって形成された壊死組織内には虚血誘導性幹細胞(ischemia-induced multipotent stem cells: iSCs)が分化した特殊なミクログリア(iSCs derived microglia: iSMG)が出現している。本研究ではiSMGが脳梗塞巣内で血管新生や血管体積の増加を促していることが明らかになった。脳梗塞巣成分が脳梗塞巣内の血管内腔に移行しており、脳梗塞後の血管変化を抑制すると脳梗塞巣の消失が抑制された。従って脳梗塞巣内の血管が脳梗塞巣成分の排出ルートとして機能しており、iSMGがその整備を担っている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、脳内の老廃物排出機構が注目を集めており、いくつかの機序が提唱されている。しかし、これらは健常脳や認知症脳などを対象に検討されており、血流の滞った脳梗塞脳における排出機構は明らかにされていなかった。また、脳梗塞巣内にはタンパク質分解酵素などの神経毒性因子が多く含まれている。従って、速やかな脳梗塞巣の排出は脳梗塞病態の改善をもたらす可能性がある。本研究成果は脳における新たな排出機構を提唱するとともに、画期的な脳梗塞治療法の創出にもつながるものである。
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