研究課題/領域番号 |
21K15437
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 湘南医療大学 (2022-2023) 東邦大学 (2021) |
研究代表者 |
進藤 綾大 湘南医療大学, 薬学部医療薬学科, 助教 (20807276)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 肺炎球菌 / 重症肺炎 / 疾患感受性遺伝子 / CXCR2 / 免疫応答 / 感染制御 / CIITA / 疾患感受性 / 疾患感受性遺伝子(群) / 莢膜型 / CBA/JN |
研究開始時の研究の概要 |
肺炎球菌感染症は 国・地域を問わず市中肺炎原因菌の最上位に位置し、本菌に感染することによる死亡率も高い。したがってヒト宿主に対する本菌の病原性メカニズムのみならず、宿主側の感染防御メカニズムを解明し、予防・治療戦略を構築することが喫緊の課題である。既に申請者らのグループでは、肺炎球菌に対する致死感受性の高いマウス系統を見出しており、これを用いることで致死感受性に関与する責任遺伝領域の特定を終えている。そこで本研究では、肺炎球菌に対する疾患関連性遺伝子(群)を同定し、感染応答への役割・分子機構を解析する。本研究により得られる知見は、重症細菌性肺炎に対し、新規治療法・ワクチン開発への一助となる。
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研究成果の概要 |
本研究では、肺炎球菌性肺炎に対する疾患感受性遺伝子(群)を同定し、その病態増悪への役割について解析した。比較ゲノム解析ならびに連鎖解析からケモカインレセプターである Cxcr2 を責任遺伝子として同定した。Cxcr2 およびそのリガンドであるCxcl1・Cxcl2の肺における発現量を測定したところ、野生型マウスと比較して重症型マウスでは発現誘導の遅延が認められた。このことに相関して、重症型マウスでは好中球・マクロファージの肺への動員の遅延、炎症性サイトカインの著増が認められた。以上のことから、感染初期の病原体への応答が遅れることが肺炎の重症化に関わることが推察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺炎は、主要な死因別の死亡率において悪性新生物、心疾患に次ぐ第5位に位置しており、その死亡者のうち65歳以上の割合は97%に達する。日本は超高齢化社会に突入しており、更なる肺炎による死亡者数の増加が懸念されることから、肺炎球菌性肺炎による重症化を理解することは喫緊の課題といえる。本研究では肺炎球菌性肺炎の重症化に関わる遺伝因子を特定することができ、それらが肺炎球菌感染の初期応答に不具合を生じることから、結果として肺炎の重症化が進行することが判明した。今後は肺炎球菌性肺炎の重症患者と本疾患因子との相関性を明らかにすることにより、重症化の予防・予測などに役立てられるものと期待している。
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