研究課題/領域番号 |
21K15465
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
半谷 匠 東京大学, 先端科学技術研究センター, 客員研究員 (50785350)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ダメージ関連分子パターン / 造血幹細胞 / HMGB1 / 炎症 / 線維化 / ダメージ関連分子 |
研究開始時の研究の概要 |
組織の線維化は自己免疫疾患やがんなど様々な疾患で見られる難治性病態である。線維化の発症には上皮細胞に対する傷害・細胞死と、それに引き続いて起こる炎症・免疫応答が重要であるが、どのような分子がこうした応答を惹起するかは不明である。ダメージ関連分子(以下DAMPs)は死細胞から放出され、自然免疫受容体を介して炎症・免疫応答を惹起する分子として近年注目を集めている。本研究では申請者が独自に開発したマウスモデルを用いて、代表的なDAMPであるHMGB1を中心にDAMPsによる線維化制御機構の解明を行う。さらに申請者らが開発したDAMPsの阻害剤を用いてDAMPsを標的とした抗線維化療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
HMGB1は個体発生において重要な遺伝子であり、組織幹細胞の恒常性維持における役割が示唆されていたが、その詳細な機能は未解明であった。本研究ではHMGB1が造血幹細胞の増殖、機能維持に寄与することを初めて明らかにした。HMGB1は幹細胞性および細胞周期に関わる遺伝子群の発現制御、およびDNA損傷修復を介して造血幹細胞の恒常性維持に寄与していることが示唆された。さらにHMGB1は慢性骨髄性白血病マウスモデルにおいても、白血病幹細胞の増殖に重要な役割を果たしていることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
HMGB1は細胞がダメージを受けた際に放出され炎症・免疫応答を惹起するdamage-associated molecular patternsの一つとして近年研究が進んでいたが、個体発生においても重要な役割を果たすことが示唆されていた。しかしながら詳細は機能は不明であり、特に組織幹細胞における役割については個体レベルでの解析は全くなされていなかった。本研究はHMGB1の造血幹細胞の恒常性維持における役割を初めて明らかにした点で画期的である。さらにHMGB1が慢性骨髄性白血病の病態形成において重要でありかつ治療標的となりうることを示した点で意義のあるものと言える。
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