研究課題/領域番号 |
21K15472
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
國村 和史 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (20844830)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 薬剤性アナフィラキシー / マスト細胞(肥満細胞) / DOCKファミリー分子 / 脱顆粒 / Mas関連Gタンパク質共役型受容体 / MRGPRX2 / MRGPRB2 / 薬剤アナフィラキシー |
研究開始時の研究の概要 |
アナフィラキシーショックによる国内の年間死亡者数は“薬剤”に起因するものが最多で、その原因薬剤も医療現場で頻用されていることから、薬剤性アナフィラキシーの克服は重要な課題である。近年、アナフィラキシー発症の新しいメカニズムとして、種々の薬剤がマスト細胞に発現しているMas関連Gタンパク質共役型受容体を直接刺激する経路が注目を集めているが、そのシグナル伝達の詳細は未だ不明である。 本研究では、免疫細胞特異的に発現し細胞骨格制御因子として機能するDOCK2分子に着目し、マスト細胞におけるMas関連Gタンパク質共役型受容体の下流から脱顆粒に至るシグナルネットワークの全貌解明を目指す。
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研究成果の概要 |
薬剤性アナフィラキシー発症に関わるMas関連Gタンパク質共役型受容体(MRGPRX2/MRGPRB2)と、免疫細胞特異的に発現し細胞骨格制御因子として機能するDOCK2分子に着目し種々の機能解析を行った。その結果、DOCK2-Rac-PAK1経路が薬剤誘導性の脱顆粒反応および薬剤性アナフィラキシー症状に重要な役割を演じていること、DOCK2阻害剤やPAK1阻害剤によってその脱顆粒が抑制されることを見出した。すなわち、本研究により薬剤性アナフィラキシーに関わるマスト細胞の脱顆粒メカニズムの一端が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、DOCK2-Rac-PAK1経路がMRGPRX2/MRGPRB2受容体を介した薬剤誘導性の脱顆粒反応に重要な経路であり、薬剤性アナフィラキシー制圧の鍵となる可能性が示唆された。最近、マスト細胞のMRGPRX2受容体を介した反応は慢性蕁麻疹や接触性皮膚炎などとの関連も指摘されていることから、薬剤性アナフィラキシーのみならず様々なアレルギー疾患を制御する上で有用な創薬ターゲットになり得る。
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