研究課題/領域番号 |
21K15487
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
長谷川 加奈 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教(常勤) (20777370)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | CAR-T細胞 / インテグリンβ7 / 多発性骨髄腫 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はこれまでに多発性骨髄腫においてインテグリンβ7が恒常的に活性化していることを発見し、活性型インテグリンβ7を標的としたCAR-T細胞が多発性骨髄腫に対して高い抗腫瘍効果を持つことを示してきた。インテグリンβ7の恒常的活性化は、骨髄腫の病態形成に関与している可能性があるが、そのメカニズムと機能的意義については未だに明らかになっていない。そこで、本研究では、多発性骨髄腫においてインテグリンβ7の恒常的活性化の原因となっている分子の同定とその機能の解析を目指す。
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研究成果の概要 |
がんの免疫療法の一つであるキメラ抗原受容体-T細胞療法(CAR-T細胞療法)の開発のためには、がん特異的抗原を認識するモノクローナル抗体が必要である。我々は、以前に単離した多発性骨髄腫特異的抗体R8H283について、その骨髄腫特異性の原因を明らかにした。さらに、R8H283が肺がんに対してもがん特異的結合を示すことを明らかにした上で、R8H283を元に作製したCAR-T細胞が肺がん細胞に対して抗腫瘍効果を示すことを明らかにした。R8H283は正常血液細胞および非血液系組織には結合しないため、R8H283由来CAR-T細胞は肺がんに対する新規治療になり得る可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
キメラ抗原受容体-T細胞療法(CAR-T細胞療法)は、血液がんに対して効果を発揮している一方で、固形がんに対してはその開発に未だ成功していない。その理由の一つに、がんに特異性の高い細胞表面抗原の欠如がある。我々は、独自に単離した多発性骨髄腫特異的抗体R8H283の骨髄腫特異性の原因を明らかにした上で、1)R8H283が肺がんに対してもがん特異的結合を示すこと、2)R8H283を元に作製したCAR-T細胞が肺がん細胞に対して抗腫瘍効果を示すことを明らかにした。これらの結果は、R8H283が認識する抗原が肺がんに対するCAR-T細胞療法の新たな治療標的となり得る可能性があることを示唆している。
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