研究課題/領域番号 |
21K15495
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
藤盛 春奈 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん幹細胞研究部, 研究員 (80882935)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | PDX / FAXC / ANXA2 / 胆管癌 / SRC / 造腫瘍 / がん幹細胞 / 腫瘍不均一性 / 分子間相互作用 / 造腫瘍能 |
研究開始時の研究の概要 |
ヘテロな細胞集団である癌組織には、腫瘍構築能や治療抵抗性を示す「癌幹細胞」の亜集団が存在する。抗癌幹細胞治療が望まれるが実用例は少なく、癌幹細胞が維持される機構も不明である。そこで申請者らは、難治性癌である胆管癌で、新規癌幹細胞遺伝子を探索する。これにより、癌幹細胞形質の維持機構を明らかにし、胆管癌の新規治療標的を開拓する。そこでまずは、手術検体から胆管癌PDXを作製し、免疫不全マウス皮下で19代にわたり継代した。継代に伴い、一定の腫瘍サイズに至る期間は短くなり、すなわち癌幹細胞が増加したと考えられ、発現が変動する遺伝子群が見出された。これらは癌幹細胞関連遺伝子群と予想され、解析を進める。
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研究成果の概要 |
不均一な腫瘍組織には、再発や転移の主因となる高い腫瘍再構築能をもつ癌細胞が存在するとされるが、その詳細な維持機構は不明である。そこで胆管癌で、腫瘍再構築に重要な新規遺伝子を探索した。マウス皮下での腫瘍増大を指標に探索した結果、機能未知だったfailed axon connections homolog (FAXC)遺伝子を見出した。FAXCは胆管癌の腫瘍形成に必要な分子であり、ミトコンドリア上でがん悪性化因子であるANXA2およびc-SRCと複合体を形成し、ANXA2のリン酸化を亢進させた。さらに、FAXCは低酸素環境への応答を制御する可能性が示され、腫瘍形成を制御する新たな機構を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
FAXCはこれまで一切報告のなかった機能未知遺伝子で、癌との関連報告も初めてである。そのため、今回見出した現象はすべてがん生物学的に新しく、また新規の治療標的として期待される。
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