研究課題/領域番号 |
21K15533
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
弓削 亮 広島大学, 病院(医), 講師 (70794791)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 免疫チェックポイント / 癌間質 / 大腸癌 / 間質 / 免疫細胞浸潤 / 大腸がん |
研究開始時の研究の概要 |
近年、様々な癌種で癌免疫療法の有効性が報告される一方、大腸癌においてはその効果が限定的である。大腸癌は癌蜂巣周囲の間質成分が豊富であり、間質内に免疫細胞が集積する組織像から、申請者は癌間質の主な構成成分である癌関連線維芽細胞CAFが癌免疫療法の障壁であると考えている。本研究では、CAFを標的としPDGFR阻害剤の併用が抗PD-1抗体による癌免疫療法の感受性を上げるという仮説の元、腫瘍免疫における3つの組織学的phenotypeを再現した同系免疫応答大腸癌肝転移マウスモデルを作製し、本併用療法の有効性の立証及び、免疫細胞浸潤機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
約100例の大腸癌標本を用いた免疫染色による解析で、inflamed typeに比較してexcluded type, desert typeの症例において間質量が有意に多いことが示され、また肝転移症例についてはphenotypeにかかわらず原発巣と肝転移巣で間質量が相関することが示された。肝転移マウスモデルではInflamed typeの肝転移モデルではコントロール群に比較してPD-1単剤投与で有意な抗腫瘍効果を示した。一方、Excluded typeの肝転移モデルでは各単剤投与群では明らかな抗腫瘍効果を認めず、併用群においてコントロール群、各単剤投与群と比較しは有意な転移抑制効果を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
様々な癌種、特に大腸癌においては免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の効果を増強させる有効性の高い併用薬が見出だせていないのが現状である。本研究成果によって、PDGFR阻害剤の投与は、間質量を減少させ免疫細胞を癌蜂巣に浸潤しやすくするだけでなく、癌間質相互作用に作用して転移抑制効果が期待でき、ICIとの併用効果が確認できたことで、ICI単剤では奏功しなかった転移性大腸癌症例に対する新規治療法の同定につながり、さらに腫瘍免疫におけるCAFの役割や腫瘍免疫細胞浸潤機構の解明が期待できる。
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