研究課題/領域番号 |
21K15538
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター (2023) 藤田医科大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
藤田 賢一 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (70816884)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 再スプライシング / がん / EJC複合体 / 癌 / mRNA再スプライシング / EIF4A3 / エキシトロン / スプライシング完了機構 / がん抑制 / 再スプライシング現象 |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝子から転写されたmRNA前駆体は正確無比にスプライシングを受けることで、成熟mRNAとなり高次生命現象を具現化する。そのため、スプライシング機構の破綻は様々な疾患、及び癌の原因となる。しかし正常細胞で担保される正確なスプライシング機構が、どのようにして癌で破綻するか、その全貌は未解明である。この解明すべく、本研究では新規解析法を用いて当研究室で発見されたmRNA再スプライシング産物を網羅的に同定し、癌の大規模なトランスクリプトーム異常をもたらす原理となりうるかを検証する。さらに再スプライシングの分子機構を解析することで、再スプライシング阻害に基づく癌抑制戦略への基盤を構築する。
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研究成果の概要 |
遺伝子から転写されたmRNA前駆体は正確にスプライシングを受け、成熟mRNAとなり高次生命現象を具現化する。そのため、スプライシング機構の破綻は様々な疾患、及び癌の原因となる。しかし正常細胞における正確なスプライシング機構が、なぜ癌で破綻するか、全貌は未解明である。この解明へのアプローチとして、癌特異的にスプライシング完了機構が破綻し、成熟mRNAが再度スプライシングされる、再スプライシング現象に着目した。 本研究では様々な癌細胞において再スプライシング産物の網羅的同定を行い、加えて、再スプライシング制御機構の全貌を解明することで、再スプライシング阻害に基づく癌抑制戦略への基盤を構築する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
当研究室が過去に発見したTSG101遺伝子由来の再スプライシング産物は、咽頭癌細胞の増殖を促進し、その浸潤と転移を促進することを明らかにしている。この事実は、発癌や癌の悪性化を理解するために、トランスクリプトーム異常を同定し、産出機構を解明することに対し、力強い動機づけとなっている。よって本研究による再スプライシング産物の網羅的同定は、新たな癌悪性化機構への理解の進展に繋がる。加えて再スプライシング制御機構の解明は、その阻害に基づいた悪性癌の治療へ向けた基盤となることが期待される。このような解析は世界的に例がない未開拓分野であり、高い社会的意義を持つ研究である。
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