研究課題/領域番号 |
21K15543
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
|
研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
檜垣 栄治 愛知県がんセンター(研究所), 分子診断TR分野, 研究員 (60896009)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 食道癌 / PDXモデル / PDC / プロテオミクス / 細胞表面タンパク質 / リン酸化タンパク質 / 化学療法 / 転移再発食道癌 / 分子標的治療 |
研究開始時の研究の概要 |
手術可能なStageⅡ、Ⅲ食道癌の半数近くが転移・再発をきたす。本研究では、術前化学療法を受けた食道癌患者から外科手術により採取された腫瘍検体を用いて、患者腫瘍組織移植(PDX)モデルを作成し、サーフェスオーム解析とリン酸化タンパク解析による活性化シグナル経路同定を中心とした網羅的多層プロテオーム解析を行う。これにより、術前化学療法後食道癌の分子背景の解明から、革新的細胞表面分子治療標的群を同定し、転移再発食道癌の克服を目指す。
|
研究実績の概要 |
手術可能なStageⅡ、Ⅲ食道癌の半数近くが転移・再発をきたす。近年のゲノム解析技術の発展にもかかわらず、転移再発食道癌に対する有効な化学療法は限られており、革新的なアプローチによる新規治療法の開発が急務である。そこで、本研究では、プロテオミクスを用いた革新的なアプローチによって、食道癌の克服に取り組む。細胞表面タンパク質は、がんにおいて機能的に重要な役割を果たしているだけでなく、その局在から、直接的な治療標的としても非常に有望である。細胞表面タンパク質は細胞内タンパク質に比べて極めて微量であることから、本研究では術前化学療法を受けた食道癌患者から外科手術によって採取された腫瘍検体を用いて患者腫瘍組織移植(patient-derived xenograft; PDX)モデルを作成し、PDX腫瘍を用いて細胞内タンパク質(サーフェスオーム)解析とリン酸化タンパク解析による活性化シグナル経路同定を中心とした網羅的多層プロテオーム解析を行う。これにより、術前化学療法後食道癌の分子背景の解明から、革新的細胞表面分子治療標的群を同定し、転移再発食道癌の克服を目指す。 本年度は、PDXモデルの作成を中心に研究を行った。現在までに食道癌20症例について24個のPDXモデルを作成した。このうち3症例においては、治療前と術前化学療法後、あるいは手術組織のペアPDXモデルが作成できた。さらに9症例において患者腫瘍由来細胞株(PDC)を樹立した。現在各PDX腫瘍のエクソーム解析、RNAシーケンス解析を行っており、またプロテオーム解析の準備を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに食道癌20症例について24個のPDXモデルを作成し、このうち3症例においては、治療前と術前化学療法後、あるいは手術組織のペアPDXモデルが作成できた。さらに9症例において患者腫瘍由来細胞株(PDC)を樹立した。高度免疫不全モデルであるRag-2/Jak3二重欠損マウスを用いたPDXモデルの作成効率は39.3%と既報(約15-40 %)と同程度で、PDXモデルの作成ペースはほぼ予定通りである。現在臨床データの集積と、各PDX腫瘍のエクソーム解析、RNAシーケンス解析を進めている。
|
今後の研究の推進方策 |
PDXモデルの作成を継続する。RNAシーケンス解析から同定した新規治療標的分子の機能解析と並行して、プロテオーム解析を行う。
|