研究課題/領域番号 |
21K15559
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
朽津 有紀 北里大学, 医療衛生学部, 助教 (70878272)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 肺腺がん / 診断マーカー / 膜タンパク質 / ショットガン解析 / 早期診断マーカー / ABCC3 / 肺線がん / 血清 |
研究開始時の研究の概要 |
肺腺がんは検診などで使用可能な検出感度の高い特異的な早期診断マーカーがないことから、診断時には進行がんであり治療困難な場合が多い。そのため、安全かつ簡易的な検査で、より早期の肺腺がんを検出できる新規のマーカーの獲得が待ち望まれている。本研究では膜タンパク質に特化したショットガン解析により、肺腺がん細胞で特異的に発現している細胞膜タンパク質を網羅的に同定し、マーカー候補となり得る膜タンパク質を絞り込む。その後、臨床検体を用いて、肺腺がん患者血清中のマーカー候補タンパク質をELISA法により測定し、肺腺がんの早期血清診断マーカーとしての有用性を評価することで臨床への実用化に向けた基礎的研究を行う。
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研究成果の概要 |
検診において、自覚症状のない肺腺がん患者をスクリーニングすることができる血清診断マーカーの開発を目的として、本研究では肺がん細胞に発現している膜タンパク質を対象としたプロテオーム解析を行った。膜タンパク質に特化したショットガン解析を行った結果、数多くのタンパク質が同定された。肺腺がん細胞のみに同定された膜タンパク質の中には、ABCC3やITGB4が含まれており、これらは肺腺がんにおいて様々な臨床病理学的因子や患者予後と相関していることが明らかになり、新たな肺腺がんマーカーとしての有用性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では肺腺がん細胞に特異的に発現している膜タンパク質に焦点を当て、プロテオーム解析を実施した。膜タンパク質は新たな血清診断マーカーとして注目されているだけでなく、治療標的分子にもなり得る。そのため、血清中にも放出されているがん特異的な膜タンパク質を見出し、検診などの簡便な血液検査に応用することは、がんの早期診断へ繋げることが可能となる。その結果、治療成績が向上することによる患者の予後の改善、並びに肺がん患者の死亡数の減少、及び医療費の削減に繋がるため、社会への大きな貢献が見込める。
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