研究課題/領域番号 |
21K15578
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
内田 晶子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (70866889)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | EBウイルス / 慢性活動性EBウイルス病 / 慢性活動性EBウイルス感染症 / Epstein-Barr virus / BCL2ファミリータンパク質 / BCL2 / 全エクソンシーケンス / トランスクリプトーム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)は、EBVに感染したT、NK細胞の腫瘍である。根治を目的とした治療薬開発のため、患者のEBV感染T、NK腫瘍細胞に対し、非感染細胞を対照として全エクソン解析とトランスクリプトーム解析を遂行、腫瘍発症に寄与する遺伝子変異と分子経路を解明し、それらがEBV感染腫瘍細胞根絶の治療薬標的となり得るか、細胞株、患者細胞およびマウスモデルを用いて検証する。
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研究成果の概要 |
EBV陽性T/NK細胞株および慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)患者由来の末梢血単核球(PBMC)でBCL2の発現が確認された。BCL2阻害剤Venetoclaxは、CAEBV患者PBMCの細胞増殖と炎症性サイトカインの産生を抑制した。CAEBVマウスモデルにVenetoclaxを投与すると、EBV感染細胞の肝臓、脾臓への浸潤が抑制された。Venetoclaxを投与したマウスでは、末梢血中のIFN-g濃度が低下する傾向にあった。これらの結果から、VenetoclaxはCAEBVの主な診療像である炎症および腫瘍抑制する効果があることが示され、新規治療薬としての可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
EBVは世界中のほぼすべてのヒトが感染している。なぜその一部でEBVがT,NK細胞への持続感染とクローナルな増殖を来してCAEBVを発症するのか、その機序は未解明である。また根治薬は未だ開発されていない。CAEBVは炎症症状で発症し、進行すると難治性リンパ腫へと進行して致死的経過をとる。本研究の結果はCAEBVの炎症症状のみならず、感染細胞自身の駆逐にも寄与し得る。CAEBVの報告はこれまで本邦に集中してきたが世界的に増えている。グローバルな患者の予後の改善に寄与し得る。
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