研究課題/領域番号 |
21K15591
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉波 哲大 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (30894240)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ctDNA / breast cancer / clinical implementation / Breast cancer / non tumor-informed assay / risk of recurrence / 乳癌 / MB-NGS / residual cancer burden / 再発リスク |
研究開始時の研究の概要 |
血中循環腫瘍DNA(circulating tumor DNA;ctDNA)の評価が、がん微小転移の存在診断に繋がることが注目されている。現在、手術可能乳癌症例においては、診断時の腫瘍径とリンパ節転移状況を用いた解剖学的分類で遠隔再発リスクを評価し周術期治療を決定している。しかし、その精度は十分ではなく改善が求められている。我々は、MB-NGS解析を用いて評価した治療前のctDNAの有無が、有意な遠隔再発リスク因子となることを報告した。本研究では、MB-NGS解析を改良したより高感度な手法を用いてctDNAの検出を試み、遠隔再発リスク評価がさらに高精度に可能となるかを検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、術後遠隔転移再発乳癌5症例の、保存された初回診断時の血漿を用いctDNA解析を行った。ctDNA解析には、腫瘍組織を用いないnon tumor-informed検査(NT検査)を用いた。結果、4例でctDNAが陽性で、初診断時のctDNA陽性が遠隔再発症例の特徴であることが示された。NT検査での同様の報告は乏しく貴重なデータとなった。さらに、4例とも、DNAの塩基置換や欠失・挿入は未検出で、がん固有のメチル化が陽性であった。エピゲノムをターゲットとしてctDNA解析を行うことで高感度な遠隔再発リスク診断となる可能性を示した。これらは、2024年日本乳癌学会で報告予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、遠隔再発リスク診断には腫瘍組織のゲノムプロファイリング結果を利用するctDNA検査が主流であるが、一定の割合でそれが不成功となる症例がある。本研究で用いた検査は、組織の事前検査は不要で、すべての患者を対象とすることができる。加えて、事前の腫瘍組織検査が必要ない分、ctDNA解析結果の受領までの時間が短く、治療方針の決定にすみやかに結果を利用できる。このような明らかな患者へのメリットがある検査の臨床導入につながる研究成果であると考える。さらに、ctDNA解析におけるエピゲノムプロファイリングの重要性を臨床検体を用いて評価した研究は現時点では多くなく学術的意義が高い。
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